2024.11.25
クリニック奮闘記
Vol.795 賞与の支給基準についての考え方
明確な賃金規定がないクリニックが多い中、昇給賞与の支給時に頭を悩ませんる先生は多いと思われます。
本稿では、来月の賞与支給を控えているクリニックの院長のお悩み相談です。
(質問内容)
12月の賞与支給に関して当院では明確な支給基準を設けていません。普段の勤務態度を考慮した上でスタッフ間で差をつけることも検討したのですが、過去に、スタッフ同士で給与明細を見せ合うことがあり、不満が爆発した経験があるため、一律支給も視野に入れるべきかと考えています。この様なことを踏まえて、12月の賞与支給をどの様に考えればよいでしょうか。
(回答①)
2月の賞与支給について、明確な基準を設けるか、一律支給にするか、悩まれているのですね。過去にスタッフ間で不満があったという経験から、難しい問題だと感じられます。
現状の問題点と解決策の検討
- 明確な基準がないことによる問題点:
- スタッフ間の公平感が損なわれやすい。
- モチベーションの低下につながる可能性がある。
- 勤務態度に差が出ても、評価が反映されないため、改善の意欲が薄れる可能性がある。
- 一律支給にすることによる問題点:
- 勤務態度に差があるにも関わらず、全員が同じ金額を受け取ることに対して、頑張っているスタッフが不満に感じる可能性がある。
- 長期的に見ると、組織全体のモチベーション低下につながる可能性がある。
12月の賞与支給を考える上でのポイント
- スタッフへのヒアリング:
- 今回の賞与支給について、スタッフの意見を匿名で集める。
- どのような評価基準を望んでいるか、一律支給に賛成か反対かなどを聞く。
- ヒアリング結果を参考に、より良い方法を検討する。
- 評価基準の明確化:
- もし、評価基準を設ける場合、具体的にどのような項目を評価するのかを明確にする。
- 評価基準は、事前にスタッフに周知し、納得してもらうことが重要。
- 評価は、個人ではなく、チーム全体の目標達成度なども考慮に入れる。
- 透明性の確保:
- 評価基準や、個々の評価結果について、ある程度透明性を確保する。
- ただし、個人のプライバシーに配慮し、過度な情報公開は避ける。
- コミュニケーションの強化:
- 賞与に関する説明会などを開催し、スタッフとのコミュニケーションを密にする。
- 不安や疑問点があれば、個別に対応する。
- 制度の見直し:
- 今回の賞与支給を機に、今後の評価制度や賞与制度の見直しを検討する。
- 長期的な視点で、組織全体のモチベーション向上につながるような制度を構築する。
具体的な提案
- 目標達成度と貢献度を評価する:
- チーム全体の目標達成度と、個人の貢献度を総合的に評価する。
- 評価基準は、事前にスタッフと共有し、納得を得る。
- 評価結果をフィードバックする:
- 評価結果を個別にフィードバックし、改善点や今後の目標を共有する。
- 評価結果を、今後のキャリアアップに繋げる。
- 一律支給と変動制を組み合わせる:
- 基本的な金額を一律で支給し、評価に応じて変動する部分を設ける。
- 変動部分については、評価基準を明確にし、透明性を確保する。
まとめ
賞与支給は、スタッフのモチベーションに大きく影響するため、慎重に検討する必要があります。一律支給にするか、評価に基づいて差をつけるか、どちらが良いか一概には言えません。スタッフの意見を聞き、組織全体の状況を考慮しながら、最適な方法を選択することが重要です。