Vol.727 保険診療の経営戦略(まとめ)

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クリニック奮闘記

2024.08.01

クリニック奮闘記

Vol.727 保険診療の経営戦略(まとめ)

保険診療には、自由診療にはないいくつかの優れた点があります。診療報酬が切り下げられていく環境に置いて経営的に不安を感じる先生も多いと思いますが、経営的な視点から保険診療が優れていると考えられるポイントがあることを知って頂きたいと思います。前回までの自由診療の経営戦略と併せてお読みください。

1. 安定した収入

  • 確実な収入源: 保険診療は、国や自治体からの診療報酬が確実に支払われるため、収入が安定しています。患者の支払い能力に依存しないため、未払いのリスクが低いです。
  • 予測可能な収益: 診療報酬の計算が明確であるため、月々の収益を予測しやすく、経営計画を立てやすいです。

2. 患者のアクセス

  • 患者数の安定: 保険診療は多くの患者にとって経済的な負担が少ないため、定期的に通院する患者が多く、患者数が安定しやすいです。
  • 新患の獲得: 保険診療は広く一般に受け入れられているため、新患を獲得しやすく、リピート率も高いです。

3. 社会的信頼と評判

  • 信頼の確立: 保険診療を提供する医療機関は、公的保険制度の一部として認識されるため、社会的な信頼が高いです。これは、地域社会での評判を築く上で重要です。
  • 患者の安心感: 保険診療を受けられることは、患者にとって経済的な安心感を与えるため、医療機関としての信頼性が向上します。

4. コスト管理と効率

  • コスト管理の容易さ: 保険診療は診療報酬が固定されているため、治療コストの管理が容易であり、予算のコントロールがしやすいです。
  • 効率的な運営: 診療報酬の請求プロセスが標準化されているため、経営管理が効率的に行えます。

5. 法的および倫理的な側面

  • 法的安定性: 保険診療は、法的に保護された制度の下で運営されるため、法的リスクが低いです。
  • 倫理的責任の遵守: 公的保険制度に基づく診療は、医療の公平性とアクセスの平等を確保するため、倫理的責任を果たしやすいです。

6. サポートとインフラ

  • 公的支援: 保険診療を提供する医療機関は、国や自治体からの支援や補助金を受けやすいです。
  • インフラの活用: 公的保険制度に関連する情報システムや教育プログラムなど、既存のインフラを活用できます。

7. 患者の多様性と広がり

  • 多様な患者層: 保険診療は、経済的な理由で自由診療を受けられない患者も受け入れるため、幅広い患者層に対応できます。
  • 地域密着型の診療: 地域の健康管理や予防医療に貢献することで、地域社会とのつながりを強化できます。

8. リスク管理

  • 経済的リスクの低減: 自由診療に比べて収入の変動が少ないため、経済的リスクが低く、経営の安定性が高いです。

これらの点を考慮すると、保険診療は安定した収入源となり、患者数の確保や社会的信頼の面で優れていることがわかります。したがって、保険診療と自由診療をバランスよく取り入れることで、クリニックの経営を安定させることが可能です。