Vol.784 オンライン診療導入時の注意点

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クリニック奮闘記

2024.11.11

クリニック奮闘記

Vol.784 オンライン診療導入時の注意点

法規制とガイドラインの遵守
医師法・医療法の遵守: オンライン診療は、医師法や医療法などの法規制の対象となります。特に、オンライン診療に関するガイドラインを十分に理解し、遵守することが重要です。
厚生労働省の通知: 厚生労働省は、オンライン診療に関する通知を随時更新しています。最新の通知内容を把握し、診療行為に反映させる必要があります。


システムの整備

セキュリティ対策: 患者情報の漏洩を防ぐため、高度なセキュリティ対策を施したシステムを導入する必要があります。

通信環境の確保: 安定した通信環境を確保することで、診療の円滑化を図ることができます。
システムの操作性: 医師だけでなく、スタッフも簡単に操作できるような、使いやすいシステムを選ぶことが重要です。


診療内容と体制
診療範囲の限定: オンライン診療で対応できる疾患や症状は限られています。対面診療との連携を密に行い、適切な診療範囲を設定する必要があります。
緊急時の対応: オンライン診療中に緊急事態が発生した場合に備え、迅速に対応できる体制を構築しておく必要があります。
患者への説明: オンライン診療のメリット・デメリット、注意事項などを患者に十分に説明し、同意を得ることが重要です。
スタッフ教育: オンライン診療に関わるスタッフに対して、適切な教育を行う必要があります。


その他
本人確認: オンライン診療では、患者本人であることを確認する必要があります。本人確認の方法としては、顔認証や身分証明書を用いる方法などが考えられます。


薬の処方: オンライン診療で処方できる薬剤は限定されており、医師の判断が必要です。
医療記録の管理: オンライン診療でも、他の診療と同様に、医療記録を正確に管理する必要があります。
オンライン診療導入のメリットとデメリット
オンライン診療を導入するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

患者にとって:
通院の手間が省ける
時間や場所を選ばずに診療を受けられる


クリニックにとって:
新規患者の獲得
診療時間の効率化
人材不足の解消
一方で、デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

診察の限界: 触診や聴診など、対面診療で行うことができる診察ができない
患者とのコミュニケーションの難しさ: 対面診療に比べて、患者とのコミュニケーションが取りづらい
システム導入コスト: オンライン診療システムの導入には、初期費用やランニングコストがかかる


まとめ
オンライン診療は、医療の提供方法を大きく変える可能性を秘めています。しかし、その一方で、注意すべき点も数多く存在します。クリニックでは、法規制やガイドラインを遵守し、患者にとって安全かつ質の高い医療を提供できるよう、慎重に導入を進める必要があります。

具体的な導入手順
現状分析: 自院の診療体制や患者層などを分析し、オンライン診療導入のメリットとデメリットを検討します。
システム選定: 自院のニーズに合ったオンライン診療システムを選びます。
スタッフ教育: オンライン診療に関する知識やスキルをスタッフに習得させます。
患者への周知: 患者に対して、オンライン診療の仕組みやメリット・デメリットを周知します。
トライアル実施: 小規模な範囲でトライアルを行い、問題点を洗い出します。
本格導入: トライアルの結果を踏まえ、本格的にオンライン診療を導入します。
その他
外部の専門家への相談: オンライン診療導入に際しては、弁護士やIT企業などの外部の専門家に相談することも有効です。
定期的な見直し: オンライン診療に関する法規制やガイドラインは頻繁に改定されるため、定期的に見直しを行うことが重要です。
オンライン診療の導入は、クリニックの新たな成長戦略の一つとなる可能性を秘めています。慎重に進めることで、患者にもクリニックにとってもメリットのある取り組みとなるでしょう。