2024.11.18
クリニック奮闘記
Vol.792 クリニックで起こりうるコンプライアンス問題の実例
クリニックでは、医療という専門性の高い分野に加え、患者との信頼関係が不可欠なため、様々なコンプライアンス問題が起こりうる可能性があります。以下に、実際の事例に基づいた事例をまとめておきますので参考にしてください。
1. 患者情報に関する問題
- 情報漏洩:
- カルテの閲覧・複写の不正行為
- 患者情報を外部に持ち出す
- SNSなどでの患者情報の公開
- プライバシー侵害:
- 患者への無断での写真撮影
- 患者に関する噂話
- 情報セキュリティ対策の不徹底:
- パスワード管理の不徹底
- 外部からの不正アクセス対策の不足
2. 医療行為に関する問題
- インフォームド・コンセントの不履行:
- 患者への十分な説明不足
- 患者が理解できない専門用語の使用
- 医療過誤:
- 診断ミス、治療ミス
- 手術ミス
- 不正請求:
- 実際に行っていない診療行為の請求 → 知識不足によるものもあるが、カルテ改ざんも含めるとコンプライアンスに対する認識の低さも伺うことができる
- 虚偽の診断書の作成
- 医薬品・医療機器の不正使用:
- 有効期限切れの医薬品の使用
- 未承認医薬品の使用
- 医療機器の誤操作
3. 会計・経理に関する問題
- 不正経理:
- 領収書の偽造
- 私的流用
- 税金申告漏れ:
- 収入の申告漏れ
- 経費の過大申告
- 保険金不正請求:
- 実態と異なる内容で保険金を請求
4. その他
- ハラスメント:
- 性的ハラスメント
- パワーハラスメント
- いじめ
- 患者からの贈収賄
- ○患者から高額な贈り物を受け取る
コンプライアンス問題が発生した場合のリスク
- 患者からの信頼失墜:
- SNS等の口コミによる信用低下
- 患者からの訴訟
- 行政処分の可能性:
- 医師免許の停止・取り消し
- 業務停止命令
- 刑事責任:
- 懲役・罰金
- 民事責任:
- 損害賠償
コンプライアンス遵守のために
- コンプライアンス規程の策定:
- 具体的な行動規範を定める
- 従業員への教育:
- 定期的な研修の実施
- 内部通報制度の整備:
- 従業員が安心して不正行為を報告できる環境を作る
- 外部監査の導入:
- 第三者の視点による評価を受ける
クリニックは、患者との信頼関係が最も大切です。コンプライアンスを遵守し、患者に安心・安全な医療を提供することが、クリニックの存続と発展に繋がります。