2024.12.02
クリニック奮闘記
Vol.802 クリニックの営業権の評価について
クリニックの営業権評価は、クリニックの売却や譲渡、あるいは医療法人の設立など、様々な場面で必要となります。営業権とは、クリニックが持つ無形資産のことで、そのクリニック独自の患者数、立地、医師の評判など、将来的な収益に貢献する要素を数値化したものです。
営業権評価の必要性
- クリニック売却・譲渡時: 売却価格を決定する上で、営業権の評価は不可欠です。
- 医療法人の設立時: 出資額を決定する上で、営業権の評価が必要となります。
- 事業評価: クリニックの事業価値を評価する上で、営業権は重要な要素となります。
営業権評価の方法
営業権の評価方法は、一概に決まっているわけではなく、様々な方法があります。一般的な評価方法としては、以下のものが挙げられます。
- 収益法: 将来の収益を予測し、その現在価値を算出する方法です。
- 比較法: 類似するクリニックの売却事例などを参考に、評価する方法です。
- 残余利益法: 資産の価額から期待収益を差し引くことで、営業権の価値を算出する方法です。
営業権評価に影響を与える要素
営業権の評価に影響を与える要素としては、以下のものが挙げられます。
- 患者数: 患者数が多いほど、営業権の評価は高くなります。
- 立地: 駅からの距離、周辺施設、競合クリニックの有無など、立地条件によって評価は大きく変わります。
- 医師の評判: 専門性や経験、患者からの信頼度など、医師の評判は重要な要素です。
- 設備: 医療機器や施設の充実度も評価の対象となります。
- 契約: 賃貸借契約、医療機関との契約など、契約内容によって評価が変動します。
営業権評価の注意点
- 将来の予測: 営業権の評価は、将来の収益を予測するものであり、不確実な要素を含みます。
- 評価方法: 複数の評価方法があり、どの方法を用いるかによって評価額は変わってきます。
- 専門家の活用: 正確な評価を行うためには、専門家(税理士、会計士、医療コンサルタントなど)に依頼することが推奨されます。
まとめ
クリニックの営業権評価は、複雑な要素が絡み合うため、専門家の知見が不可欠です。売却や譲渡、医療法人の設立など、重要な意思決定を行う際には、必ず専門家にご相談ください。