2024.12.12
クリニック奮闘記
Vol.808 ヒヤリハットの対策『気を付けます』『ダブルチェックする』でよいのでしょうか
ヒヤリハットの対策で「気をつけます」という改善内容が返ってくることは、よくあることですね。より具体的な改善策を導き出すためには、以下のプロセスを踏むことをおすすめします。
1. ヒヤリハットの内容を具体的に把握する
- 何が起きたのか: 具体的にどのような状況で、何が起こりそうになったのかを詳細に記録します。
- なぜそうなったのか: なぜその状況になったのか、原因を深く掘り下げて考えます。
- 誰が関わっていたのか: どの部署、誰が関わっていたのかを特定します。
2. 改善策を複数案出す
- なぜ「気をつけます」だけでは不十分か: 「気をつけます」では、再発防止策としては不十分であることを説明し、具体的な対策を検討する必要があることを伝えましょう。
- ブラinstorming: 部署全体でアイデアを出し合い、多様な改善策を検討します。
- SMART原則: 改善策は、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)のSMART原則に基づいて設定します。
3. 最適な改善策を選択する
- 実現可能性: どの程度の期間と費用で実現できるか、現実的に検討します。
- 効果: どの程度の効果が期待できるか、定量的に評価できる指標を設定します。
- 関係者の意見: 関係者全員が納得し、協力できる改善策であるかを確認します。
4. 改善策の実施と効果検証
- 責任者と担当者を明確にする: 改善策の実施責任者と担当者を明確にし、進捗状況を管理します。
- スケジュール設定: 改善策の実施スケジュールを立て、期限を守って進めます。
- 効果検証: 改善策の実施後、効果を定量的に評価し、改善策が適切であったかを確認します。
5. 改善策の共有と周知
- 全社員への共有: 改善策の内容と、その背景にある理由を全社員に共有します。
- 教育・研修: 改善策に関する教育・研修を実施し、全社員が理解を深める機会を提供します。
- マニュアルの改訂: 改善策を踏まえて、マニュアルを改訂し、標準化を図ります。
ヒヤリハット対策を成功させるためのポイント
- 当事者の意見を聞く: ヒヤリハットを経験した当事者の意見を聞き、具体的な改善策に繋げます。
- PDCAサイクルを回す: Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のPDCAサイクルを回すことで、継続的な改善を目指します。
- 組織全体で取り組む: ヒヤリハット対策は、個人の問題ではなく、組織全体の課題として捉え、全員で取り組むことが重要です。
- 安全意識の向上: ヒヤリハットを単なるミスと捉えるのではなく、安全意識を高めるための機会と捉えることが大切です。
具体的な質問例
- 「気をつけます」という言葉を具体的に、どのような行動に結びつけますか?
- その行動を実行するために、必要なものは何ですか?
- その行動の効果をどのように確認しますか?
- 同じようなミスを繰り返さないために、他にどのような対策が考えられますか?
まとめ ヒヤリハット対策は、単に「気をつけます」という言葉で終わらせるのではなく、具体的な行動に繋げ、再発防止策を講じる必要があります。上記のプロセスを参考に、組織全体で安全意識を高め、より安全な職場環境を目指しましょう。