Vol.817 開業5年目のクリニックの人事戦略の見直し

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クリニック奮闘記

2024.12.25

クリニック奮闘記

Vol.817 開業5年目のクリニックの人事戦略の見直し

開業5年目のクリニックの人事戦略(人事評価制度の構築含む)、採用戦略についてまとめてみます。5年という節目は、組織の成熟と今後の成長を見据えた人事戦略を構築する上で重要な時期です。初期段階とは異なり、組織の規模や業務内容も変化している可能性が高いため、現状に合わせた人事戦略の見直しが必要です。以下、人事評価制度の構築と採用戦略を中心に、ポイントをまとめます。

1. 現状分析(人事状況の把握)

  • 従業員構成の分析: 年齢、勤続年数、職種、役職などを分析し、従業員構成の現状を把握します。
  • 従業員満足度調査: アンケートや面談などを実施し、従業員の仕事への満足度、職場環境への評価、キャリアに対する意識などを把握します。
  • 離職率の分析: 過去の離職状況を分析し、離職の要因を特定します。
  • 業務内容の分析: 各職種の業務内容を明確にし、業務量や責任範囲などを把握します。

2. 人事戦略の基本方針策定

現状分析を踏まえ、今後の人事戦略の基本方針を策定します。

  • 経営理念・ビジョンの共有: 経営理念やビジョンを従業員に浸透させ、組織の一体感を高めます。
  • 求める人物像の明確化: 経営理念やビジョンに基づいて、どのような人材を求めているのかを明確にします。
  • 人材育成の基本方針: 従業員のスキルアップやキャリア開発をどのように支援していくのかを定めます。
  • 働きがいのある職場環境の整備: 従業員が働きがいを感じられる職場環境づくりを目指します。

3. 人事評価制度の構築

  • 評価項目の設定:業務内容や求める人物像に基づいて、評価項目を設定します。
    • 業績評価: 業務目標の達成度、業務遂行能力などを評価します。
    • 能力評価: 知識、スキル、経験などを評価します。
    • 行動評価: 責任感、協調性、コミュニケーション能力などを評価します。
  • 評価方法の決定:評価者、評価時期、評価方法などを決定します。
    • 多面評価(上司、同僚、部下など複数からの評価)の導入も検討します。
  • 評価基準の明確化: 各評価項目について、具体的な評価基準を設けます。
  • 評価結果のフィードバック: 評価結果を従業員にフィードバックし、今後の成長につなげます。
  • 評価結果の活用: 評価結果を昇給、昇格、賞与などに反映します。

人事評価制度構築のポイント

  • 公平性・客観性: 評価基準や評価方法を明確にし、公平で客観的な評価を行うように心がけます。
  • 納得性: 従業員が評価結果に納得できるように、評価プロセスやフィードバックを丁寧に行います。
  • 運用性: 制度が複雑になりすぎず、現場で無理なく運用できるような制度設計を心がけます。
  • 目標管理制度との連携: 目標管理制度と連携させることで、目標達成に向けた従業員のモチベーションを高めます。

4. 採用戦略

  • 採用ターゲットの明確化: 求める人物像に基づいて、採用ターゲットを明確にします。
  • 採用チャネルの選定: 適切な採用チャネル(例:求人サイト、人材紹介会社、ハローワーク、クリニックのウェブサイト)を選定します。
  • 採用広報の強化: クリニックの魅力や働きがいを伝える広報活動を行います。
  • 選考方法の検討: 面接、筆記試験、適性検査など、適切な選考方法を検討します。
  • 採用後のフォローアップ: 採用後の研修やOJTなどを充実させ、早期離職を防ぎます。

採用戦略のポイント

  • 採用ブランディング: クリニックの魅力を明確に伝え、応募者にとって魅力的な職場であることをアピールします。
  • 多様な採用手法の活用: 従来の採用手法だけでなく、SNSを活用した採用活動やリファラル採用(従業員からの紹介)なども検討します。
  • 採用コストの最適化: 各採用チャネルの費用対効果を分析し、採用コストを最適化します。
  • 採用後の定着支援: 入社後のフォローアップやキャリア支援などを充実させ、従業員の定着を図ります。

開業5年目の特徴を活かした戦略

  • 従業員のエンゲージメント向上: 既存従業員のエンゲージメントを高めることで、離職率の低下や生産性の向上につなげます。
  • 経験者採用の強化: 即戦力となる経験者を採用することで、業務の効率化や質の向上を図ります。
  • 組織文化の醸成: 5年間で培ってきた組織文化を大切にし、新しい従業員にも共有することで、組織の一体感を高めます。