2025.01.21
クリニック奮闘記
Vol.831 売上が増えれば資金繰りは良くなるのか?
今年に入っていろんな業界で倒産件数が過去最高というニュースが入ってきます。
倒産のケースにもいろいろありますが、赤字だから倒産する訳ではなく、"資金繰り"が行き詰まることが原因として考えられます。
事実、アマゾンは財務諸表上は赤字決算ですが倒産していません。それどころか益々の事業拡大を図っています。詳細な説明は省きますが、商品(サービス)の提供前に資金を回収していることにより、資金の手元流動性が確保されているためです。
これは大企業だからということではなく、小さく考えることでクリニック経営にも応用ができます。
売上5000万円のクリニックの院長に聞いてみたところ、売上が1億になれば資金繰りが楽になるのだが・・・と仰られていました。
また売上1億円のクリニックの院長に同じことを質問したところ、2億円になれば楽になるのに・・・と返答されます。
ということは、売上が資金繰りを楽にするものではないということを物語っています。
経営は売上ではなく、利益で考えなくてはなりません。
1億円の売り上げのために1億1000万円の経費を使えば、1000万円の赤字です。
5000万円の売上でも、経費を3000万円で抑えることができれば2000万円の黒字です。
どちらが名経営者であるかは明白です。
つまり、事業規模が大きくなっても財務の視点ではその構造は変わらないため、小さくシンプルに考えてマネジメントすることが求められます。事業を拡大するのはもちろんいいことですが、経費のコントロールをしっかりしなければ利益は出てきません。
京セラの稲盛和夫氏が言っておられる、『売上最大、経費最小』の考え方を胸にマネジメントしていきましょう。