Vol.857 医療機関における経費の適正化

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クリニック奮闘記

2025.03.10

クリニック奮闘記

Vol.857 医療機関における経費の適正化

医療機関におけるコスト削減(経費の適正化)は、経営の安定化と患者へのより良い医療提供のために不可欠です。本稿では具体的な事例を交えながら、コスト削減のレポートとして改善例をいくつかまとめてみました。

1. 医療機器・設備の適正管理

  • 現状分析:
    • 耐用年数超過機器の放置:使用されていない機器がスペースを占有し、資産価値も低下。
    • リース契約の見直し不足:再リースが繰り返され、割高なリース料を支払い続けている。
  • 改善策:
    • 不要機器の廃棄・売却:定期的な棚卸しを実施し、不要な機器は処分または売却。
    • リース契約の見直し:リース期間、リース料、契約内容を再検討し、最適な契約に見直す。
    • 中古医療機器の導入:性能に問題がなければ、中古機器の導入も検討。

2. 医薬品・医療材料の適正管理

  • 現状分析:
    • 高額薬品の在庫ロス:患者の転院等により、高額な薬品が在庫として残ってしまう。
    • 医療材料の過剰在庫:使用頻度の低い材料が過剰に在庫されている。
  • 改善策:
    • 在庫管理システムの導入:リアルタイムで在庫状況を把握し、過剰在庫や期限切れを防止。
    • 医薬品の共同購入:近隣の医療機関と共同で医薬品を購入し、仕入れ価格を下げる。
    • 材料の適正購入:使用頻度を考慮しながら、最小限の在庫数で購入する。

3. 人件費の適正管理

  • 現状分析:
    • 時間外労働の増加:業務効率の悪さから、時間外労働が増加している。
    • 人員配置の偏り:特定の部署に人員が集中し、他の部署では人手不足になっている。
  • 改善策:
    • 業務効率化:電子カルテや自動受付システムなどを導入し、業務効率を向上させる。(医療DXの推進)
    • 人員配置の見直し:各部署の業務量に応じて、適切な人員配置を行う。
    • 多能工の育成:複数の業務をこなせる多能工を育成し、人員配置の柔軟性を高める。(院内でのジョブローテーション)

4. 光熱費・通信費の見直し

  • 現状分析:
    • 電気料金の契約見直し不足:電力会社の契約内容を見直していない。
    • 通信費の無駄:使用していない固定電話やインターネット回線がある。
  • 改善策:
    • 電力会社の比較検討:複数の電力会社から見積もりを取り、最適なプランを選択する。
    • LED照明の導入:消費電力の少ないLED照明を導入し、電気代を削減する。
    • 通信費の見直し:不要な固定電話やインターネット回線を解約し、通信費を削減する。

5. 業務委託費の見直し

  • 現状分析:
    • 清掃・警備などの委託費が高額:委託業者との契約内容を見直していない。
    • 委託業務の重複:複数の業者に同じ業務を委託している。
  • 改善策:
    • 委託業者の比較検討:複数の業者から見積もりを取り、最適な業者を選択する。
    • 委託業務の精査:委託業務の内容を見直し、不要な業務は削減する。
    • 委託業務の内製化:可能な業務は内製化し、委託費を削減する。

6. その他

  • レセプト請求の適正化:
    • レセプト請求のミスを減らし、返戻率を下げる。
    • 請求漏れがないか、定期的にチェックする。
    • 必要に応じてアウトソーシング(外注化)を検討する
  • アウトソーシング(外注化)の検討:
    • 人件費などの固定費を変動費化することで、外部環境の変化に柔軟に対応する

まとめ

医療機関のコスト削減は、多岐にわたる分野で取り組む必要があります。上記のような具体的な対策を実行することで、経費を適正化し、経営の安定化を図ることができます。また、コスト削減によって生まれた財源を、医療サービスの向上や職員の待遇改善に充てることで、より良い医療機関を目指すことができます。