2025.03.10
クリニック奮闘記
Vol.858 電子カルテのリプレイスの注意点
電子カルテのリプレイスは、医療機関の業務効率や患者サービスに大きく影響するため、慎重な検討が必要です。特に、金額だけでなく、使い勝手、レセプト点検機能、インターフェースの視認性など、多角的な視点からの評価が重要となります。以下に、電子カルテリプレイスの際に注意すべき点をまとめました。
1. 金額に関する注意点
- 初期費用とランニングコスト:
- 電子カルテの導入には、システム導入費、ハードウェア購入費、データ移行費などの初期費用がかかります。
- また、保守費用、サポート費用、クラウド利用料などのランニングコストも考慮する必要があります。
- 複数のベンダーから見積もりを取り、総費用を比較検討することが重要です。
- 隠れたコスト:
- データ移行やスタッフ研修にかかる時間的コスト、業務停止による損失なども考慮する必要があります。
- 契約書を隅々まで確認し、追加費用が発生する可能性についても把握しておきましょう。
2. 電子カルテの使い勝手
- オンプレミス型とクラウド型:
- オンプレミス型は、自院のサーバーにシステムを設置するため、カスタマイズ性が高く、セキュリティも確保しやすいですが、初期費用や運用コストが高くなります。
- クラウド型は、インターネット経由でシステムを利用するため、初期費用を抑えられ、場所を選ばずに利用できますが、カスタマイズ性やセキュリティに制限がある場合があります。
- 自院の規模や予算、セキュリティ要件などを考慮して、最適なタイプを選択しましょう。
- 操作性:
- 医師や看護師など、実際にシステムを利用するスタッフの意見を取り入れ、操作性の高いシステムを選びましょう。
- デモ画面やトライアル期間を活用し、実際の操作感を試してみることが重要です。
- カスタマイズ性:
- 自院の業務フローや診療科目に合わせて、柔軟にカスタマイズできるシステムを選びましょう。
- 特に、特殊な診療科目や業務を行っている場合は、カスタマイズ性の高いシステムが適しています。
3. レセプト点検機能
- レセプト点検機能の精度:
- レセプト請求のミスを減らすために、レセプト点検機能の精度は非常に重要です。
- 過去のレセプトデータを活用し、実際の点検精度を確認しましょう。
- レセプト点検機能の使いやすさ:
- レセプト点検機能が使いやすいかどうかも重要なポイントです。
- 直感的な操作で、簡単にレセプト点検ができるシステムを選びましょう。
- 法改正への対応:
- 診療報酬の改定など、法改正に迅速に対応できるベンダーを選びましょう。
4. インターフェースの視認性
- 画面の見やすさ:
- 長時間使用しても目が疲れにくい、見やすい画面デザインを選びましょう。
- 文字の大きさや色使い、レイアウトなどを確認することが重要です。
- 情報の探しやすさ:
- 必要な情報に素早くアクセスできる、情報の探しやすさも重要なポイントです。
- カルテ情報、検査結果、処方履歴などが、一目で確認できるシステムを選びましょう。
- 多職種連携:
- 電子カルテは医師だけでなく、看護師、薬剤師、検査技師など多職種が使用します。
- 多職種が使いやすいインターフェースであることも重要です。
その他
- ベンダーの信頼性:
- 導入実績、サポート体制、セキュリティ対策など、ベンダーの信頼性を確認しましょう。
- 導入後のトラブルにも迅速に対応してくれる、信頼できるベンダーを選ぶことが重要です。
- セキュリティ対策:
- 患者の個人情報を扱うため、セキュリティ対策は万全である必要があります。
- セキュリティ対策に関する情報を確認し、安全性の高いシステムを選びましょう。
- データ移行:
- 現在使用している電子カルテから、新しい電子カルテへのデータ移行がスムーズに行えるか確認しましょう。
これらの点に注意して、自院に最適な電子カルテを選びましょう。