Vol.859 日本の医療制度のゆくえ(令和7年現在でのまとめ)

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クリニック奮闘記

2025.03.10

クリニック奮闘記

Vol.859 日本の医療制度のゆくえ(令和7年現在でのまとめ)

令和7年(2025年)現在、日本の医療制度は、超高齢社会の進展、医療技術の高度化、財政状況の悪化など、様々な課題に直面しており、その方向性は多岐にわたります。厚生労働省の公式見解と中央社会保険医療協議会(中医協)の議論を踏まえ、日本の医療制度が向かっている方向性についてまとめてみました。

1. 地域包括ケアシステムの深化

  • 高齢者が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを最期まで送れるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が推進されています。
  • 中医協でも、地域における医療・介護連携の強化や、在宅医療・介護の充実などが議論されており、地域包括ケアシステムの深化は重要なテーマとなっています。

2. 医療DXの推進

  • 医療現場の効率化、医療の質の向上、患者の利便性向上などを目指し、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。
  • 電子カルテの普及、オンライン診療の推進、医療情報の標準化などが進められています。
  • 厚生労働省は「保健医療情報分野におけるデータヘルス改革について」という政策を打ち出しており、医療情報の活用を推進しています。

3. 予防・健康づくりの推進

  • 疾病の発症予防、重症化予防、健康寿命の延伸などを目指し、予防・健康づくりの推進が重視されています。
  • 特定健診・特定保健指導の推進、生活習慣病対策の強化、健康増進法の改正などが進められています。
  • 高齢化が進む中で、医療費の増大を抑制するためにも、予防医療の重要性が高まっています。

4. 医療費の適正化

  • 高齢化や医療技術の高度化に伴い、医療費が増大しており、医療費の適正化が重要な課題となっています。
  • 診療報酬の適正化、後発医薬品の使用促進、医療費の見える化などが進められています。
  • 中医協では、診療報酬改定に関する議論が活発に行われており、医療費の適正化に向けた様々な議論がなされています。

5. 働き方改革の推進

  • 医師や看護師などの医療従事者の長時間労働が問題となっており、働き方改革の推進が急務となっています。
  • 医師の働き方改革に関する法改正、タスク・シフト/シェアの推進、ICTを活用した業務効率化などが進められています。

6. 持続可能な医療保険制度の構築

  • 少子高齢化が進む中で、持続可能な医療保険制度を構築することが重要な課題となっています。
  • 給付と負担の見直し、医療費の適正化、医療保険制度の効率化などが議論されています。
  • 中医協では、医療保険制度の持続可能性に関する議論が活発に行われており、将来を見据えた制度設計が検討されています。

これらの方向性は、相互に関連しており、総合的に推進されることで、日本の医療制度はより持続可能で質の高いものへと進化していくと考えられます。

参考資料

  • 厚生労働省ホームページ
  • 中央社会保険医療協議会ホームページ