Vol.860 クリニックの経営データの読み方

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クリニック奮闘記

2025.03.17

クリニック奮闘記

Vol.860 クリニックの経営データの読み方

私たち経営コンサルタントは、データに基づいた意思決定のサポートをさせて頂いています。

『データに基づいた』意思決定というのは、『根拠を持った判断を正しくすること』と同義であるとお考え下さい。

経営で一番してはならないのは、"何となく" "感覚で" というどんぶり勘定的な判断です。

数値に基づいた経営判断が求められるには、経営において数字が共通言語だからです。

現状分析 → 改善ポイントの見極め → 実行プランの立案と実践 → 進捗状況のチェックと見直し → 改善 → 実践

この繰り返しがセオリーです。計画が計画通りに、または計画以上に行くことはありません。経営とは外部環境への変化対応といえますので、やってみないとわからないことの連続です。失敗を重ねながら、軌道修正をしつつ目標に近づけていくということの繰り返しです。

もしかすると過去の成功体験も通じないかもしれません。その中でいかに理想とする形に近づけていくことができるのか、そして上手くいったことに再現性を持たせることができるのかというところに経営手腕が問われます。

では具体的にクリニックの経営データはどの様に読み解いていけばよいのでしょうか。

経営データの管理については3つに分類してみましょう。

①クリニック全体の傾向を捉える

■レセプト総括表からの数値分析

いわゆる原単位分析というカテゴリーです。

総点数、レセプト件数、実日数、延べ患者数の数値管理です。

ここから分かることは、レセプト1件あたりの単価、1回あたりの診療単価、来院回数 の3つです。

時系列で管理することで、大きな流れをつかむことができます。あくまでも"大きな流れ"です。平均化されたデータなので、何か問題点があっても特定することは難しいのです。他院の平均値と比べて大きな差異がある場合は、根本的に算定方法が異なっていたりするこことがありますので、その場合は要注意です。

②クリニックの収益構造を理解する

診療行為別集計表により、どの医療行為がクリニックの収入源になっているかを把握します。電子カルテ内には医業収入を『診察料』『医学管理料』『検査』『処置・手術』『画像診断』『処方料』に分類された形にでデータが蓄積されています。診療行為別集計表を用いるのは、フォーカスすべき医療行為を特定するためです。内科のクリニックであれば、診察料+医学管理料+検査で全体の60%から70%を占めるのが一般的です。経営管理として重点的に数値管理するのは、この3項目のみでよいという見極めができるのです。

そこから、それぞれの項目の小項目にアプローチすることで問題個所を特定し、その項目についてKPIを設定します。(※目標数値を設定し管理すること)

③重点課題の改善度の測定

先述の工程で設定したKPIに基づいて改善度の進捗管理を行います。データを取るだけで終るのではなく、改善するところまで追跡しなければ意味がありません。クリニックのスタッフ全員で情報共有し、共通認識の下で改善に向けて取り組んでいきましょう。院長先生おひとりでできることは限られています。1人よりもクリニック全体で役割分担の上で取り組む方が成果は大きくなるはずです。またそのプロセスを銃余資することでチームとしての一体感も醸成されることでしょう。