Vol.921 ICTとDXの活用による業務効率化と患者サービスの向上

レセプト代行サービス メディカルタクト
TEL:06-4977-0265
お問い合わせ
backnumber

クリニック奮闘記

2025.06.09

クリニック奮闘記

Vol.921 ICTとDXの活用による業務効率化と患者サービスの向上

クリニック運営におけるICT(情報通信技術)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用は、今や単なる効率化の手段ではなく、患者サービスの質を高め、他院との差別化を生み出す重要な鍵となっています。本稿では、ICTとDXの導入によってもたらされる業務変革の具体例を紹介しながら、どのようにクリニックが進化できるかを探っていきます。

■ 1. 電子カルテと予約システムの導入による受付業務の効率化 紙カルテから電子カルテへの移行は、記録の正確性向上だけでなく、受付や会計業務のスピード化にもつながります。また、予約システムの導入により、患者の来院状況が可視化され、混雑緩和や待ち時間短縮につながります。スマートフォンから予約できる利便性は、患者の満足度を大きく引き上げる要素です。

■ 2. 業務プロセスの見直しによる人的コストの最適化 ICTを活用することで、問診の事前入力やWeb問診票などを取り入れ、受付や問診業務の手間を軽減することが可能です。スタッフの作業時間を医療行為の補助や接遇に振り分けられるため、人的コストの最適化とともに、患者対応の質の向上も実現します。

■ 3. オンライン診療・服薬指導の活用 慢性疾患や経過観察が中心の患者には、オンライン診療を導入することで、通院の手間を省きつつ継続的な診療が可能になります。高齢者や遠方に住む患者にとっては大きなメリットであり、利便性を重視する現代の医療ニーズに対応したサービスと言えるでしょう。

■ 4. データ分析による診療体制の最適化 来院頻度、診療内容、混雑時間帯などのデータを分析することで、診療時間の再編や人員配置の見直しが可能になります。例えば、特定の曜日に混雑が集中していれば診療枠を広げる、逆に空いている時間帯にはスタッフ教育や会議を設定するなど、データに基づく柔軟な運営が可能となります。

■ 5. セキュリティとコンプライアンスの強化 ICT導入にあたっては、個人情報保護やセキュリティ対策も重要です。電子カルテやクラウドシステムの導入時には、適切なアクセス権限管理やデータバックアップ体制を整備することが求められます。安全なICT活用は、患者からの信頼確保にもつながります。

■ 6. DX推進による「選ばれるクリニック」への転換 ICTやDXは単なるツールではなく、「患者が選びたくなるクリニック」へと変わるための戦略でもあります。デジタル技術を通じて、患者との接点を増やし、よりパーソナライズされた対応を可能にすることで、リピート率や紹介率を高める結果につながります。