2025.06.09
クリニック奮闘記
Vol.920 実務未経験のパートスタッフでも成長できる教育体制による差別化
多くのクリニックでは、受付や医療事務、看護助手といったパートスタッフが業務の中心を担っています。彼らの多くは医療業界未経験で、接遇や専門用語に不慣れです。こうした人材をどのように教育し、患者サービスに直結する形で戦力化するかが、クリニックの差別化につながります。
■ 1. OJTとOFF-JTの組み合わせ 現場での実務指導(OJT)に加えて、定期的な座学研修(OFF-JT)を取り入れることが重要です。接遇、クレーム対応、医療知識など、体系的な学習ができる体制を整えることで、スタッフの不安も解消されます。
■ 2. ロールプレイによる接遇力向上 患者対応のシミュレーションを定期的に行うことで、現場での応用力が身に付きます。特に、初診患者への声かけや、待ち時間への配慮の言葉などは、実践を通じてこそ習得されるものです。
■ 3. 接遇マニュアルの整備 標準的な言葉遣いや電話対応のフローなどをマニュアル化することで、対応にばらつきが出ないようにします。マニュアルはあくまで「指針」であり、スタッフが状況に応じて柔軟に使いこなせるようにします。
■ 4. 定期的な振り返りとフィードバック 週1回のミーティングや月1回の振り返り会を設けることで、スタッフ間の連携強化と課題共有が進みます。フィードバックは必ずポジティブな要素を含めて伝えることで、モチベーションの維持につながります。
■ 5. 教育担当者の育成 新人教育は既存スタッフの成長機会にもなります。教育担当者を明確に任命し、指導スキルを高める研修を行うことで、教育の質も上がります。
■ 6. 評価制度とやりがいの可視化 スタッフの努力を正当に評価する仕組みを作りましょう。たとえば「接遇向上賞」「ミスゼロ月間表彰」など、日常業務の中での頑張りを可視化する工夫が大切です。