2025.07.28
クリニック奮闘記
Vol.955 クリニックの経営改善と収益多角化の実践策
医療業界は変化が激しく、特に一般医科クリニックの経営は厳しさを増しています。診療報酬の改定や患者の多様なニーズに対応するため、経営改善と収益源の多角化は不可欠です。単に保険診療に依存するのではなく、多面的な収益構造を構築することが、今後の持続的なクリニック経営の鍵となります。
本記事では、クリニックが取り組むべき経営改善の基本的な考え方と、収益多角化の具体的手法について解説し、成功事例も交えて紹介します。
1. 経営改善の必要性と基本的な考え方
経営改善とは、収益の最大化とコストの最適化を目指し、効率的かつ持続可能なクリニック運営を実現することです。経営の見える化がその第一歩となります。
キャッシュフローの管理と分析
クリニックの収支を正確に把握し、どの診療科目やサービスが利益を生み、どこにコストがかかっているのかを明確にしましょう。収益性の低いサービスの改善や撤退、効率化が必要です。
人件費・設備費の適正化
人件費はクリニックの最大コストです。適正な人員配置や多能工化を進め、スタッフの労働生産性を向上させましょう。また設備投資も無駄なく行うことが重要です。
2. 収益多角化の方向性と具体策
収益の柱を複数持つことで経営リスクの分散が可能になります。ここでは主な収益多角化の方法を解説します。
(1)自由診療メニューの充実
自由診療は保険診療に比べて単価が高く、収益性を大きく改善できます。診療科に応じて、以下のような自由診療メニューの導入を検討しましょう。
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内科:抗加齢医療、生活習慣病の予防指導、メディカルフィットネス
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整形外科:再生医療、リハビリ特化型サービス、慢性痛の漢方治療
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小児科:予防接種パッケージ、発達検査
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精神科:カウンセリング、認知行動療法などの心理療法
(2)患者ロイヤリティプログラムの導入
会員制サービスや定期的な健康管理プログラムは、患者の継続来院を促進し、安定した収益につながります。月額制の健康相談や栄養指導などを組み合わせると効果的です。
(3)予防医療メニューの強化
健康診断や生活習慣病予防、メンタルヘルス対策を強化し、患者の健康維持を支援します。予防医療は今後の医療提供の柱であり、新たな患者層の獲得も期待できます。
3. 成功事例紹介:会員制健康管理プログラムで収益安定化を実現した内科クリニック
東京都内の内科クリニックBでは、健康維持を目的とした会員制プログラムを導入しました。月額料金で定期的な健康相談、生活習慣改善指導、栄養カウンセリングを提供し、患者の継続的な来院を促進しています。
この取り組みの結果、保険診療収入に加え、安定した自由診療収入を確保。スタッフの負担も均等化され、クリニック全体の経営が安定しました。
4. まとめ
クリニック経営においては、単一の収益源に依存せず、複数の収益柱を持つことが重要です。経営改善の基本を押さえた上で、自由診療メニューの充実、患者ロイヤリティプログラム、予防医療の強化といった多角化策を講じることで、安定的かつ持続可能な経営が可能となります。