2025.09.29
クリニック奮闘記
vol.999 クリニックスタッフ教育と自己啓発① 業務スキルの向上
クリニックで働くスタッフにとって「業務スキルの向上」は避けて通れないテーマです。受付事務、看護師、リハビリスタッフ、放射線技師、そして医師。それぞれに求められる知識と技術は異なりますが、共通して言えるのは「常に現場で学び、改善し続ける姿勢」が重要だということです。
ユニクロの柳井正社長は「プロフェッショナルであれ、アマチュアでいるな」と語っています。これは単に専門的な知識を身につけるという意味だけでなく、現場で起きる問題に真正面から向き合い、改善し続ける人間であれ、という強いメッセージです。クリニックで働く私たちにとっても、まさに同じことが当てはまります。
1. 「できるようになるまでやる」姿勢
医療現場では、マニュアルだけでは対応できないケースが日々発生します。患者さん一人ひとりの症状や背景が異なるからです。例えば、受付事務であれば、診療報酬や保険制度に関する知識を身につけて正確に処理する力が求められますが、それに加えて「患者さんが何を求めているかを瞬時に理解する力」も必要です。
柳井社長は「できるようになるまでやり続けることがプロの条件」と語っています。これはクリニックにおいても同じで、単に資格を持っているだけではなく、日々の業務を通じて磨かれる「実践的なスキル」が本当の意味での力となります。
2. 改善は日常業務の中にある
柳井社長の経営哲学には「現場主義」があります。すべての改善は現場で起きる問題から始まるという考えです。クリニックでの業務も同様で、カルテ入力の手間、患者説明のわかりにくさ、スタッフ同士の連携のずれなど、現場には無数の小さな課題が存在します。
その一つひとつを「仕方ない」と片付けるのか、「改善のチャンス」と捉えるのかで成長のスピードは大きく変わります。例えば、カルテ入力の時間がかかるのであれば、ショートカットキーや入力補助機能を使いこなす工夫をする。患者さんから同じ質問を繰り返し受けるなら、掲示物や説明資料を改善する。このように、日常業務に潜む課題を拾い上げて改善を繰り返すことこそが、スキルアップの本質です。
3. 学び続ける文化をつくる
ユニクロでは「自己変革できる人材」こそが最も評価されます。医療現場においても、同じ環境に安住するのではなく、変化に対応できる力が重要です。医療制度は毎年のように改定され、診療報酬も変化し続けます。看護やリハビリにおいても、新しい知見や技術が常に生まれています。
この変化に対応するためには「自ら学び続ける文化」を持つことが不可欠です。院内研修、外部セミナー、オンライン学習など学びの機会は多様にありますが、重要なのは「学んだことを業務にすぐ活かす」ことです。柳井社長は「知識は行動と結びつけて初めて価値を持つ」と強調しています。学びを現場で実践し、改善につなげることが、真のスキルアップです。
4. 専門性と総合力の両立
クリニックでは、各スタッフに明確な役割があります。しかし同時に、他職種の業務を理解しておくことでチーム全体の効率が大きく高まります。例えば、事務スタッフが医師や看護師の業務内容を理解していれば、患者説明のサポートや業務の橋渡しがスムーズになります。逆に、看護師が事務処理の基本を理解していれば、突発的な受付対応にも協力できます。
柳井社長は「個の力を伸ばしながら、全体最適を目指す」ことを重視しています。クリニックにおいても、専門性を深めると同時に、チームの一員としての総合力を持つことが、質の高い医療を提供する鍵となります。
5. 自己啓発は未来への投資
最後に、スキルアップは「自分のため」であると同時に「患者さんのため」であることを忘れてはいけません。柳井社長は「一人ひとりが変われば、会社全体が変わる」と繰り返し語っています。クリニックでも同じで、一人のスタッフの成長がチーム全体を変え、ひいては患者満足度の向上につながります。
自己啓発は未来への投資です。今日の学びや改善が、数年後の自分やクリニックの姿を形づくります。「患者さんにとってよりよい医療を提供する」という使命感を胸に、日々スキルを磨き続けること。それが、クリニックで働くすべてのスタッフに求められる姿勢です。
まとめ
「業務スキルの向上」とは、単なる知識や技術の習得にとどまらず、現場での改善を積み重ね、学び続ける姿勢を持ち続けることです。柳井正社長の「プロフェッショナルであれ」という言葉を胸に、スタッフ一人ひとりが日々の仕事に真剣に取り組むことが、クリニック全体の成長へとつながります。