2026.04.27
クリニック奮闘記
Vol.1150 人を動かす力を鍛える ― 医療機関におけるコミュニケーションの本質
リーダーに求められる最も重要な能力の一つが、「人を動かす力」である。医療機関では多職種が連携して業務を行うため、適切なコミュニケーションが組織の成果に直結する。
在宅クリニックの事例では、医師、看護師、事務スタッフの間で情報共有が不十分であり、訪問スケジュールや患者対応に混乱が生じていた。そこで、リーダーとなる看護師が中心となり、定期的なミーティングと情報共有のルールを整備した。また、指示の出し方を見直し、「何を」「なぜ」「いつまでに」という要素を明確にすることで、業務の精度が向上した。
コミュニケーション能力は座学だけで習得できるものではない。実践と振り返りを繰り返すことで、徐々に身についていく。特に重要なのは、承認と指摘のバランスである。適切な行動を評価しつつ、改善点については具体的に伝えることで、スタッフの成長を促すことができる。
また、動機付けの視点も欠かせない。単に指示を出すだけではなく、業務の意義や目的を共有することで、スタッフの主体性を引き出すことができる。これは、医療の質向上にも直結する重要な要素である。
リーダー育成の最終段階は、個人の能力を組織の成果へと結びつけることである。そのためには、人を動かす力、すなわちコミュニケーション能力の向上が不可欠である。
医療機関における持続的な発展は、優れたリーダーの存在に大きく依存する。その育成は一朝一夕に達成されるものではないが、日々の業務の中で意識的に取り組むことで、確実に成果を上げることができる。
