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セミナーのお知らせ
レセプト実践講座OnLine(医療一般コース⑳)勉強会資料
テーマ:ニコチン依存症管理料と喘息治療管理料
1. 前回の勉強会の質問おさらい
◆ 悪性腫瘍特異物質治療管理料
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がんの経過を他院でフォローしていても、自院でマーカー検査を行えば算定可能。
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既存のがん患者に他部位のがん疑いがある場合も、原則として検査料は算定できず管理料で算定。
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疑い病名でも可。検査項目に応じた病名対応が必要。
◆ がん性疼痛緩和指導管理料
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麻薬の処方を伴うことが算定要件。
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指導のみで処方が中止された場合は算定不可(返金対象)。
2. ニコチン依存症管理料(B001-3-2)
【算定概要】
禁煙希望者に対して、TDS等でニコチン依存症と診断し、治療説明・同意取得後に禁煙指導・治療管理を行った場合に算定。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 管理料1(初回) | 230点 | 全5回構成 |
| 管理料1(2〜4回) | 対面184点/オンライン155点 | 同一医師による診察必須 |
| 管理料1(5回目) | 180点 | |
| 管理料2 | 一連800点(初回1回限り) |
【施設基準】
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禁煙治療の掲示
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経験ある医師と専任看護師配置
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呼気CO測定器設置
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敷地内禁煙
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オンライン診療指針準拠体制
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成績報告(継続率・禁煙成功率)を地方厚生局へ提出
【対象患者】
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TDSで依存症と診断
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35歳以上は「1日喫煙本数×年数≥200」
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禁煙希望・標準手順書に基づく文書同意あり
【オンライン診療時の留意点】
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初回と同一医師による診察
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医療機関内での実施
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特別料金徴収不可
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通信費等は別途徴収可
3. 喘息治療管理料(B001_16)
【算定概要】
| 区分 | 点数 | 対象 |
|---|---|---|
| 喘息治療管理料1 | 初月75点/2か月目以降25点 | 20歳以上、月1回算定可 |
| 重度喘息患者治療管理加算 | 初月2,525点/2〜6か月目1,975点 | 重度喘息患者対象 |
| 喘息治療管理料2 | 280点(初回のみ) | 6歳未満または65歳以上で吸入補助器具使用者 |
【留意事項】
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ピークフローメーターや日記等の費用は点数に含む。
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紛失・破損時は患者負担可。
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指導内容を文書で説明し診療録に記載。
【設備要件】
喘息治療管理料を算定するには以下を常備、または連携体制を整備。
酸素吸入設備、挿管器具、レスピレーター、吸引装置、動脈血ガス分析装置、スパイロメトリー装置、胸部X線撮影装置。
【重度喘息患者治療管理加算】
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専任看護師が24時間対応
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検査値(ピークフロー・一秒量)を蓄積・解析する体制
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緊急入院受入体制(院内または連携機関)
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過去1年に中等度以上の発作で3回以上緊急受診した20歳以上患者が対象
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週1回以上の検査報告・文書指導が必要
4. 総括
本勉強会では、ニコチン依存症・喘息治療の保険算定における実務的留意点と、オンライン診療・連携体制などの新基準対応について具体的に整理された。
禁煙支援と慢性疾患管理の両面で、患者同意・文書記録・報告義務の徹底が求められる内容となっている
