Vol.42 建物トラブル!費用負担と責任問題、水漏れ、給排水オーバーフロー

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2017.12.29

Vol.42 建物トラブル!費用負担と責任問題、水漏れ、給排水オーバーフロー

忙しい開業準備の中でも、建築内装の打ち合わせは楽しいものです。

様々な業務工程の中で無から有を生み出す楽しみが味わえるからです。

資金繰りのお話しは眉間に皺が寄りますが、建築の時ばかりは先生方の顔も綻ぶのです。

しかしながら、素人にとっては分からないことだらけで、言われるがママのことも少なくはありません。

稿ではAクリニックで起こった建物設備に関係するトラブルをご紹介したいと思います。

 

念願のクリニック開業を果たして、早10年が経ちました。大きなトラブルもなく、アッという間の10年間

でした。

しかし小さな事件が幾つかある中で、最近問題になりつつあることでA院長は頭を悩ませています。

それは建物設備に関係することです。

駅前にあるテナントビルなので立地は抜群なのですが、築年数は30年を超えています。

最近は、あちこちの設備がくたびれ初め、家主と工事業者との打ち合わせの毎日です。

 

A院長 「最近の雨のせいかもしれませんが、排水スピードが遅いんです。しかも時々、 排水溝からオー

                 バーフローしてくることがあります。」

           「共用部分のエアコンと、院内に備付のエアコンも調子が悪いんです。温度調整く上手くできませ   

    ん。」

オーナー「早速、建物管理会社に連絡して調査してもらいましょう。」

 

まず、排水溝については、排水管の口径がもともと小さいこともあるのですが、錆や汚れで更に管の中が

狭くなってオーバーフローしてくることが分かりました。

エアコンについては10年以上していることもあり、器械的に寿命であると結論付けられました。

原因は突き止められたのですが、この後は修理費用をめぐってビルオーナーと揉めています。

 

(まとめ)

一般的にテナントの賃貸契約書では、建物本体や設備に関するトラブルはビルオーナーがメインテナンス

しなければなりません。逆に賃貸使用することから生じる小修繕については賃借人が負担することになっ

ています。

但し経年劣化についてはビルオーナーの責任です。では、本稿の場合はどう考えればよいでしょうか。

まず排水管ですが、こちらはビルの本体に附随する設備であり、賃借人の過失も認められませんからビル

オーナーの負担となります。排水管の目詰まりについては経年劣化と考えられます。

に共用部と院内の備付のエアコンですが、こちらもオーナー負担による取り換えとなります。

大修繕や取り換えの判断基準は過失の有無は別にして、「誰の所有物(資産)」なのかということです。

建物の本体や付属設備は、建築時にビルオーナーが費用負担したものです。

院内にあるとはいえ、オーナー資産のエアコンなので賃借人が勝手に取換えたり、処分することもできま

せん。今回は、院内のエアコンを一旦除去し、新しいエアコンはA院長が購入することとし、メインテナン

スもクリニックで行うということで決着しました。

※排水管の件で捕捉ですが、商業施設に不慣れな建築業者の場合、小さい口径の排水管を使用したり、建

物の美観上?からなのか、途中でL字型にしたりしている場合があります。

テナント各戸から1か所に集めて排水する様な場合も、集中時にオーバーフローすることがあります。

設計時のチェックポイントの一つとして知っておいて下さい。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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