2017.11.26
クリニック奮闘記
Vol.5 採用決定後の面接での出来事
採用面接も無事終了しオープニングスタッフも決まりました。
さて、これから開院までの1ケ月は、いよいよスタッフ研修が始まります。開始に先立ってA院長から所信演説があります。これからのクリニック運営の方針、患者さんへの接し方や仕事に対する考え方、自分が追い求めている医療の在り方の実現などなど。熱心に耳を傾けるスタッフの姿にも感心させられます。A院長は研修の間を縫って、スタッフとは個別面談を行うことにしました。目的は雇用に際しての条件確認から契約の締結です。ここでは念のため顧問税理士の立会いもお願いしております。個別面接は順調に進んでいき、とうとう最後の一人となりました。
A院長 「午前勤務の時は8:30、午後勤務の時はは15:30に出勤してください。出勤時間に対しての賃金は当然お支払いしますので、宜しくお願いしますね。」
スタッフ「すいません。実は主人が、、、、子供が中学校に上がるまでは午後勤務を辞める様に言われたんです。」
A院長 「えー! 来てもらえることを前提にして採用しているんだよ。このタイミングで無理と言われても、、僕が困ってしまうよ。」
内心では、この人を採用するために面接で断った人がいるのにと歯噛みする思いでしたが、
そんなことは言えず、もう一度ご主人と話合ってもらうことをお願いしてみました。
スタッフ「院長、主人ともよく話し合ったのですが今回は辞退させて頂きます。」
誠に身勝手な言い分ではありますが、こういう場面はよくあります。A院長は悪い予感もあ
ったので、面接で不採用にした人の中から目ぼしい人に電話をかけて、勤務してもらえない
か交渉をしてみました。幸い、他の就職先が決まっていない人がいたため、何とか人の確保
は事なきを得、開院に向けてスタッフ研修が進んでいきます。
(まとめ)
断る材料として家族を持ち出すのは常套手段です。面接の際にはあやふやな話で終わらせ
ず、勤務時間等や出勤可能な曜日についてはしつこく確認する位がよろしいかと思います。
確実に拘束することはできませんが、双方の不一致がない様に書面を交わすことも必要な
のかもしれません。
メディカルタクト
代表コンサルタント 柳 尚信