2017.11.26
Vol.12 声の大きいスタッフが幅を利かせる
職場にはいろんなキャラクターのスタッフがいます。
・事務作業を、黙々とこなす人
・評価につながることには積極的だが、それ以外は全く無関心の人
・人付き合いが上手く、患者さんとも上手くやっていける人
・リーダーシップを発揮して、周りを巻き込んで仕事をする人
・周囲の様子を伺いながら仕事をする人
それぞれいい面もあれば悪い面もありますが、経営者の仕事はそんな人たちを上手くまとめてチームを作り上げていくところにあります。
開業当初は周囲を伺いながら仕事をする人が多かったのですが、10年ともなると個々の個性が際立つ雰囲気が醸し出されてきます。
そんな中で事務主任のB美さんは、事務スタッフだけでなく、院長や看護師の間に入って
院内の調整役の立場にありました。もともとの社交的な性格もあり、周囲からも認められるポジションを確立していたのです。
そんなB美さんを中心にしたスタッフ人事は、A院長の眼には上手くいっているかに見えていました。ところが、ある日、事件は起こったのです。
毎月のルーチン業務として、翌月の勤務シフトの作成をB美さんが取り仕切っています。
看護師は正職員なので勤務表の作成は必要ありませんが、事務スタッフはB美さんも含めてパートスタッフです。所得制限のあるスタッフもいれば、思いっきり働きたいスタッフもいます。そこを上手く調整するのがB美さんの真骨頂です。
B美 「じゃあ皆さん、来月はこの勤務表でお願いします。」
他のスタッフ「・・・・・・・・」
何となく嫌な空気が院内に流れています。数日後、事務スタッフのD子さんがA院長に退職したいと言ってきました。その理由が何とB美さんにあったのです。
D子 「勤務表を作成する時は、いつもB美さんの都合が最優先なんです。先月も子供の参観日だからと休むんです。」
「他の人も同じ校区なので参観日があるんですが、全く聞く耳持たずで押し切られてしまいます。」
「ずっと我慢してきましたが、もう限界なので退職させて頂きます。」
A院長はB美さんが上手く取りまとめていたと思っていただけに、D子さんの退職はショックでなりません。B美さんの積極的な性格に押し切られ、周りのスタッフが閉口してしまっていたというのが現実の様です。
(まとめ)
自分の意見を言う前に、まず人の意見を聞いてからという人が多いと思います。
社会人ともなれば自分の言動に責任を問われますので、それを嫌がるあまり矢面に立とうとはしないのです。そんなスタッフが多数占める中で、積極性のあるスタッフが一人入るとどうなるでしょうか。リーダーシップを発揮してまとめられる場合はいいのですが、リーダー格の人でも自分の我を通すだけの人もいます。本稿のB美さんがまさにその人で、周りが割を食っている感じになってしまいました。
任せきりにするのではなく、出来上がった勤務表は一つの素案として、院長が最終チェックをする様にしましょう。
メディカルタクト
代表コンサルタント 柳 尚信