2017.12.05
Vol.24 電子カルテで残業ゼロ
昨日は年末になって休みを希望するスタッフのお話しでしたが、
本日は残業したがるスタッフのお話しです。
こちらもクリニックではよくある風景です。
必要な残業はいいのですが、そうでない残業もあります。
効率よく仕事をこなしていくにはどうしたらいいのでしょうか。
永遠のテーマの様でもありますが、解決に向けて頑張っていきたいと思います。
正社員として入社したC子さんは、医療事務のベテランスタッフです。
この人がいなければクリニックのレセプト請求はできないと言っても過言ではありません。
今月も来月月初のレセプトに向けて準備に余念がありません。
一体どんな仕事ぶりなのでしょうか?
C子さん 「毎日70人を超える日が続くわね。こんなに患者が多いとレセプトも大変。」
「前日のカルテをチェックして、週末にはもう一度、1週間分を見直しましょう」
月末月初の2週間は、受付は他のスタッフにお任せで2診にある電子カルテを使って籠りっきりです。
しかも午前診と午後診の間の時間も作業が続きます。
残業代が月に5万円も出てしまう、そんな仕事ぶりに院長は少し困惑気味ですが、
レセプトはC子さんにしかできないので、そこは我慢するしかありませんでした。
C子さん 「院長、病名漏れと医師コメントの追加をお願いします。」
A院長 「いつも有難う。でももう少し早く報告してくれるといいんだけどね」
C子さん 「これだけレセプト件数が多いと、毎日チェックしてても、
一人でやってるので時間がかかります。」
言ってることは正しいのですが、仕事の仕方にも問題ありと考えているA院長はコンサルタントに相談してみることにしました。
A院長 「C子さんの仕事の仕方について改善点はないでしょうか」
コンサルタント「電子カルテの活用が上手くできていない様に思います。」
「レセプト全件をプリントアウトしてチェックしなくても、
キーワード検索でチェックが必要な個所をピックアップできます。」
「毎日の確認作業も基本的に必要はないでしょう。
C子さんの残業時間も無くなると思いますよ」
C子さんには早速、電子カルテを使った確認作業の方法をレクチャーしてもらい、来月からはこの方法で仕事をしてもらう様に指示をしました。ところが・・・・。残業時間は一向に減りません。
以前同様に2診に籠ってレセプト作業をしています
A院長 「C子さん。作業手順は効率化されたと思うんだけど、進んでいるかな?」
C子さん 「院長、教えてもらった方法では、合っているのかどうか分からなので、
もう一度プリントアウトして全件チェックしています。」
A院長 「え!」
(まとめ)
電子カルテを利用するメリットの1つに、レセプト作業に費やす時間の短縮が図れることにあります。
ドクターのカルテ入力が完了すれば、会計処理に進みますが基本的にはそれで全てが終了しています。
改めて見直す必要はないのです。
繁忙期などは最低限の記入に留めておいて、時間外に病名やコメントを追加することはあるかもしれませんが、それはドクターの仕事であり医事課の仕事ではありません。
古参の医事スタッフの中には、レセプトは残業手当が付くので抱え込むタイプの方がいらっしゃいます。電子カルテを導入しても機械の能力にも追いついていけず、従来のやり方を踏襲しています。
ボタン1つで集計できますし、チェックポイントのピックアップも一発検索できます。
しかし、人はボタンを押さないのです。
機械のスペックや機能は、どんどん向上しています。
道具は進化していますが変わっていないのは人の方かもしれません。
やがてAIの時代になるのでしょうが、集計や作業は機械に任せて、医療機関で人がしなければならない仕事の本質を、もう一度見直してみる機会を設けてみて下さい。
メディカルタクト
代表コンサルタント 柳 尚信