2017.12.11
Vol.28 インフルエンザの予約方法
毎年10月になると、クリニックではインフルエンザの予約を取り始めます。
ワクチン接種を希望する人は、ネットや口コミなどで、料金の安い医療機関を探している様です。
Aクリニックでは、そんな地域の人に喜んでもらおうと、今年から最安値の料金設定をしました。
本稿では、そんなAクリニックで起こったトラブルについてお話ししたいと思います。
まずは、予約開始の初日、患者からの問合せ電話の場面からスタートです。
患者 「インフルエンザの予約をお願いします。いつが空いていますか?」
スタッフ「今でしたら、本日●●時、来週なら午後の時間は何時でも空いています。」
患者 「わかりました。子供の予定を確認してから、かけなおします。」
そして翌日クリニックに電話が入り、予約を取ろうとするのですが・・・・・・。
患者 「来週の火曜日の●●時にインフルエンザの予防接種をお願いしたいのですが。」
スタッフ「申し訳ござません。あいにく、その時間は予約が埋まってしまっています。」
患者 「はあ、ではまた改めて電話します。」
こんな電話対応が一日のうちに何件も入ります。
日頃クリニックで受診している患者なら窓口対応も可能ですし、クリニックの込み具合も知っているので融通も利くのですが、インフルエンザのワクチンだけの方は、対応に手間暇がかかってしまいます。
また高齢者の場合は一人一人の対応に時間がかかってしまいますので、クリニックの電話は受話器を置いている時間が殆どありません。
スタッフ「院長。予約電話の対応で受付が止まってしまって困っています。」
A院長 「そうだね。初診患者の問診やカルテ入力も止まるので、診察も進まないね。」
「待ち時間も1時間以上になってるし・・・・、少し考えてみるよ。」
こうしてA院長は改善策を検討してみることにしました。
顧問税理士やコンサルタント、薬品卸業者等から他のクリニックの取り組み事例を収集し、自院で取り組める内容をまとめてみました。
内容は次の通りです。
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問合せ電話の対応時間を限定する。診察時間内に干渉しない時間にする
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問診表は持ちかえって記入する様に、受付で事前に配布しておく
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ホームページからも問診表はダウンロード可能にする
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11月と12月の土曜日の午後は、予防接種だけの時間を設定
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看護師による注射
対策を講じたことにより、患者対応の時間が効率化され、予約の取次がスムーズになっただけでなく、普段の診療も待ち時間の短縮が図られることとなり、忙しい中にも平穏を取り戻すことができたのでした。
(まとめ)
ワクチン接種のシーズンは通常の来院患者だけでなく、ワクチンのみの希望者も来院されるため、内科系のクリニックは大変混雑します。
予約時の混乱をさけるため、各クリニックでは様々な工夫がなされています。
本稿では一例をご紹介させて頂きましたが、一番効果があったのは電話の対応時間を限定したことです。従前は診療時間内の電話対応に追われてしまっていましたが、時間を限定することで患者対応がしっかりできる様になりました。
皆様のクリニックにおかれましても独自の工夫を考えてみて下さい。
メディカルタクト
代表コンサルタント 柳 尚信