2017.12.18
クリニック奮闘記
Vol.33 守秘義務は続くよ、どこまでも・・・
個人情報に関する取扱いは昔と違い、かなりシビアになってきています。
一般会社においては言うまでもなく、病院、クリニックなど医療機関においても例外ではありません。
特に医療機関については、「病気・ケガ」という個人にとってはマイナスイメージとして捉え兼ねられな
い情報を日常的に扱っているため、医師をはじめスタッフには厳格な対応が求められます。
本稿では、いつものAクリニックで起こった患者情報の取り扱いトラブルについてお話しします。
午前の診療が終わり、午後診療が始まるまでの数時間、スタッフにとっては束の間の休息時間です。
正社員のB美とC子は食事休憩のため、近所のショッピングモールのフードコートに出掛けました。
B美 「いつも受診に来る●●さんなんだけど、最近元気がないね。」
C子 「●●病でもう5年位、来てるけど最近は調子が悪そうね。」
一見、他愛もない日常会話に見えますが、会話の内容は患者に関すること。
名前だけでなく、その方の病気についても話されています。
会話の中で、名前と病名を紐づけしているため、個人を特定することもできます。
院内で交わされるスタッフ同士の会話なら問題ありませんが、ここは誰に聞かれてもおかしくない公共施
設です。
このことが直ぐに損害賠償事件に発展することは少ないと思いますが、コンプライアンス違反には違いあ
りません。
クリニックのスタッフは地域では、ちょっとは知られた顔になっている人もいらっしゃいます。
スーパーで買い物にきた患者や家族が、その場に居合わせることは少なからずあります。
個人情報の取り扱いについては、入職時にも誓約書を取り付けていますが、十分に徹底されていない事業
所が多いのも事実です。
(まとめ)
最低限のルールとして、入職時に「守秘義務契約書」「誓約書」にて、個人情報の取り扱いについて、各
人に注意喚起することは必要です。
しかしながら、この法律の意味の理解度については個人差がるため、具体例を用いて説明する様にした方
がよいでしょう。
・レストランやカフェ等で業務終了後にスタッフ同士で談笑するとき、業務に関する具体的な内容につい
ては触れない
・家庭の中でも配偶者等に患者情報に関することは話さない
・公共交通機関を利用しているとき、またはタクシー内では話さない
・退職後についても「守秘義務」があることを伝える
メディカルタクト
代表コンサルタント 柳 尚信
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