Vol.34 目の届かない事業所のスタッフ管理

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2017.12.19

Vol.34 目の届かない事業所のスタッフ管理

クリニックの事業展開モデルの一つに、介護保険事業への展開があります。

一般的には、デイケア(デイサービス)、ヘルパーステーション、訪問看護ステーション、ケアプラセン

タ―などを併設するパターンが多いのですが、クリニックだけの時と違い、事業規模の拡大に伴って、

様々な経営問題が生じてきます。

本稿では、介護保険事業への展開を始めたクリニックで起こった日常の場面をご紹介します。

 

B整形外科は、5年前の医療法人化に伴い介護保険事業への展開を始めました。

クリニックと同じビルの2階にデイケア(通所リハビリテーション)を開設し、同時に、隣のマンションの

一室を賃貸し、ヘルパーステーションとケアプランセンターも開設しました。

デイケアは同一建物内ということもあり、クリニックのPTの1名を配置、看護師も当番制で外来から回す

ことができるため、人件費を抑えた形での運営が可能です。

医療と介護を包括的にサービス提供にすることにより患者の囲い込みが可能になり、B院長の理想とする医

療機関像に近づいてきました。

しかしながら、いいことばかりではなく、以前とは比べられない位に、様々なトラブルに頭を悩まされる

様にもなったのです。

 

介護員C   「院長、スタッフが2名退職したので、人員の補充をお願いします。」

介護員D   「来週、有給休暇を取らせてください。」

PT(デイケア)「送迎車が接触事故を起こして、今、警察で対応中です」

デイスタッフ 「利用者さんが転倒されました!」

 

こんな感じの報告? が毎日の様に、診療時間中に受付から伝わってくるため、事態の取集の為にもスタッフミーティングを行うことにしました。

 

※ヘルパーステーションにて

B院長   「人員の補充だけど、忙しいのは水曜日と木曜日だけのようだね。スタッフの出勤日を忙しい

       曜日に集中させる様に変更してみて。」

介護員C,D 「みんな、学校の行事が重なるので、休みたい日が重なるんです。」

B院長   「わかった。ではパートスタッフを募集するよ。週4日勤務で募集するから、一人当たりの出

       勤日数が減るけど、いいよね?」

介護員C,D 「出勤日数が減るのは困るので、今のスタッフで切り盛りしてみます。」

 

※デイケアにて

B院長   「しょっちゅう、車両事故があるけど、どうしてこんなことになるの?」

PT     「運転手が休みの時は、ヘルパーが送迎車の運転をするんです。

      通常業務との両立が難しいんです。」

B院長   「運転手は直ぐに募集するよ。採用できるまでは、申し訳ないけど車の運転ができるヘルパー

      さんで何とかしてもらえるかな?」

      

※ケアプランセンターにて

B院長   「あれ?ケアマネージャーさんは?」

事務員    「今日は、休みされています。」

B院長   「聞いてないなぁ。」

 

こんな感じで、介護事業所のスタッフとは、午前と午後の診療時間の間にミーティングを行い、仕事の指

示を出す時間にしています。

 

(まとめ)

気の休まる時間が全くなくなったB院長は、現場の責任者を選任することで日常の細かい意思決定を委譲し

ました。その上で、毎朝の朝礼に責任者を参加させ、前日の業務報告を聞くことにしています。

こうすることで、各部門の調整と経営にかかる意思決定が院長の仕事として残りました。

まだまだ始まったばかりですが、B院長の挑戦はこれかも続きます。

 

 

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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