Vol.38 節税目的で購入した器機の末路

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2017.12.25

Vol.38 節税目的で購入した器機の末路

年末近くになると、繁盛しているクリニックでは税金の心配が出てきます。

医療法人であれば、理事長ファミリーで給与所得として分散して受け取っているため、院長一人の場合よ

りも低い税率の適用を受けています。

ところが個人事業の場合は累進課税の最高税率で課税されるクリニックも少なくなく、納税額が1000万円

を超えることも珍しくありません。

「どうせ納税するなら、何か買おう」ということになり税金対策の一環として車の買替や、医療機器の購

入を毎年繰り返しています。

本稿では、そんなBクリニックの一場面をご紹介したいと思います。

 

B院長 「今年も納税が1000万円くらいになるんだね。キャッシュもあるので、人気のあ

                るシミ取りレーザーでも買おうかな。メーカーにも在庫があるみたいだから。」

税理士 「そうですね。800万円の器械なら税金は400万円少なくなりますから、半額で購入できることに

                  なりますよ。」

                ※実際には減価償却資産ですから全額は経費になりません。話の趣旨を分かりやすくする

                    ため全額経費処理として考えています。

 

それ程欲しくもないのですが、節税効果を考慮して半額で購入できるのならと、さっさと購入を決めてし

まいました。

去年は脱毛レーザーも購入し、今年はシミ取りレーザーです。

納品に来た業者は、部屋の隅に鎮座している去年納品した器機を見つけて院長に言いました。

 

業者  「院長、去年ご購入頂いたレーザーは使っていないんですか?」

B院長 「節税目的で買ったんだが、殆ど使ってないね。買ったことも忘れていたよ。」

    「実は、使っていない器機は倉庫に沢山あるんだよ。」

  

(まとめ)

節税対策として、毎年の様に高額医療機器を購入するB院長は結構おられます。

しっかりとした購入目的と投資回収計画ができていれば、この節税対策は有効です。

しかし本稿の様に、結果として使わない器機の場合はどうでしょうか?

確かに、その時の税金は安くなったかもしれませんが、投資することで何のリターンも生んでいません。

それなら素直に納税して、半分を貯金した方が良かったのではないでしょうか。

納税する予定の資金が器機に変わり、資金も余分に流出しています。

お金の使い方の問題の様にも思いますが、思い当たる先生もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

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代表コンサルタント  柳  尚信

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世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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