Vol.46 電子カルテのデータ管理

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2018.01.09

Vol.46 電子カルテのデータ管理

クリニックの電子カルテには、患者の個人情報がギッシリと詰まっています。

そこで働くスタッフには守秘義務がありますから、当然、取り扱いには厳重注意です。

そして忘れてはならないのが、電子カルテにはクリニックの収入データが入っているということです。

特に受付事務スタッフにおいては、日々の業務が電子カルテを中心に動いているため、その気になれば、

どんな経営データでも持ち出すことができるのです。

本日は、ちょっと仕事ができる事務スタッフによる、ありがちな風景をご紹介していきます。

 

A院長の日常は多忙を極めています。

毎日80人の外来診察を行いながら、昼休みと夜診後に5人の訪問診療に出掛けていきます。

土曜日の午後と日曜日は休診日ですが、往診患者からの呼び出しには対応しなければならないので、

オンコールの状態です。

そんなAクリニックの1月のレセプトは1000枚を超えており、医業収入も一般的なクリニックの3件分位は

あります。

レセプト担当者は、この道20年の超ベテラン事務員のB子。

紙レセ時代からの経験者ではありますが、電子カルテの操作も若手スタッフに負けず劣らず習熟していま

す。

そのB子と若手スタッフのC恵が、今月のレセプト担当に当っています。

 B子「今月もレセプトは1000枚を超えてるわね。医業収入も外来と在宅併せて●●万円。」

C恵「えー、すごいわね。院長は忙しくしてるけど、そんなに儲かってるのね。」

B子「そーなのよ。私もいろんなクリニックで働いてたけど、Aクリニックは3件分位の収入ね。」

C恵「他のクリニックは、どんな感じなの?」

B子「そうねぇ・・・・・」

 

この会話は、お昼休みのスタッフルームで、C恵から他のスタッフにも伝えられ、やがて全員が知ることと

なり、A院長も、その不穏な空気を察する様になります。

 

日常の受付業務でしか電子カルテを操作していないスタッフは、一月の集計データまで意識することはありません。

しかしB子の様にレセプト業務が好きで、電子カルテの操作ができるスタッフは、いろんなデータに興味を

持つ様になります。受付スタッフの中には他院と掛け持ち勤務をしている人もいるため、クリニックのレ

セデータの取り扱いについても守秘義務があることを説明しておく必要があります。

 

(まとめ)

紙カルテとレセコンの時代とは異なり、電子カルテからは様々な経営データがボタン一つで抽出すること

ができます。電子カルテの導入研修では操作研修が中心なので、そこまでの内容には触れませんが、画面

上のボタンで簡単に操作ができます。

スタッフにはレセプト処理上、必要最低限の操作に限定すること。(ログの記録は時々でいいので確認は

する様にして下さい)また、レセプトデータは、患者やスタッフの個人情報と同様にセンシティブな情報

なので、同等に扱う様に注意喚起しましょう。

本稿では、早い段階でA院長が事態を知ることになったため、院内の情報が流出しない様に注意することは

できました。

しかし、この話には後日談が・・・・。別の講でご紹介したいと思います。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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