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2018.01.10

Vol.47 クリニックにもインバウンドの影響

訪日外国人旅行者は、年を追うごとに数が増えてきています。

最近では、日本各地の観光地だけでなく、都市部の繁華街にまで訪日観光客で賑わっています。

そんな観光ツアーの中には、医療ツーリズムで日本の高度医療の受診のために訪れる外国人も少なくあり

ません。

本稿では、医療ツーリズムの観光客ではなく、旅行中に体調を悪くし? 受診を余儀なくされた観光客

と、医療機関の様子をご紹介します。

 

今日も忙しいAクリニックにかかってきた一本の電話から事件は始まります。

電話口の向こうからは、東南アジア系の外国人が、まくし立てる様に早口で話しかけてくる。

クリニックの受付スタッフで対応できるはずもなく、院長が電話口に出ることになった。

 

A院長 「What do you want?  Is your physical condition bad?」

電話相手「××〇〇$%#◇△~>なのよ!」

A院長 「Please come to the clinic.  Address is・・・・・・」

電話相手「OK!」

 

話が通じたのかが分からないまま電話は切れました。

とりあえずの事態は収拾したので、A院長は診察に戻りました。

午前診が終わろうとする頃、受付で東南アジア系の外国人がスタッフに何やら言っている。

どうやら電話の主の様である。

直ぐにA院長が対応したのですが、体調がすぐれないので薬が欲しいと言っている様である。

いつも服用している薬の写真を差し出し、同じモノが欲しいという。

診察をしなければ薬の処方をすることができないことを説明するが、全く理解できていない様子。

しかたなく受付前で立ったまま、患者の状態を診察することにしたA院長。

頭痛を訴えている様なので、鎮痛薬と胃薬の処方箋を渡したのですが、院外処方のシステムも理解でき

ず、治療費も支払わずにそのまま怒って帰ってしまったのでした。

  

(まとめ)

日本の医療機関はフリーアクセス(誰でも受診ができる)であるため、受診を拒否すること外国人であって

もできません。しかしながら日本の医療システムを理解していない訪日外国人とのトラブルは絶えない様

です。

まず、訪日外国人の場合は医療保険の適用がないため、全額自費になるということ。旅行保険に医療保険

にも加入している場合は、後日請求することもできるのですが、加入していないことも多くある様です。

また、逆に医療機関側も不慣れであることもあり、旅行保険の内容照会やクレジットカードのコピーを取

るなどの保全処置をとっていないため、医療費の未収も問題になっています。

この様な問題の他に本質的な部分として、「言葉の壁」があります。体調がすぐれない時、痛みなどの主

観的要素を伝えるのは、通訳がいたとしても非常に困難です。

訪日外国人を受け入れる場合、通訳の他にも医療コーディネーターなどのスタッフも必要でしょう。

受付での対応マニュアルや、各国語の治療説明書などの準備もしておいた方がよいでしょう。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 (参考)

経済産業省HP(インバウンド情報)

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/inbound.html

 日本政府観光局(訪日外客数の動向)

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/index.html 

産経新聞

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170720/mca1707200500008-n1.htm  

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