Vol.50 話の長い患者にお付き合い

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2018.01.15

Vol.50 話の長い患者にお付き合い

しっかりと、患者の話に耳を傾けなければいけないことは分かってはいるものの、度を越え「おしゃべ

り」は困りものです。

高齢者の中には受診しに来ているというよりは、話し相手を求めて来院しているのでは?と思われる患者

もいます。また、認知症の患者で、会話が上手く噛み合わず、堂々巡りの話を延々としていることもあり

ます。

メンタル面でのケアも必要ですが、他の患者の診察に影響が出る様ではいけません。

テクニックとして、気を悪くさせることなく、話を早く終わらせることも知っておいた方がよいでしょ

う。本日は、話の長い患者への対処法を、実例に基づいてご紹介致します。

 

親身になった診療が評判のAクリニックは、今日も朝から患者で溢れています。

受付では長い待ち時間に、ヘトヘトになった患者からのクレームも多くある様です。

さて、一方で診察室の中はというと、テキパキと診察を行うA院長の姿がありました。

 

看護師「院長、次の患者さんは話が長いので、早めにお願いします。」

 

A院長「そうだね。長くならない様に気を付けるよ。」

 

診察はいつも通り、食生活についての質問から始まりました。

すると患者は、メモを取り出し、一週間前の食事メニューから説明を始めたのです。

早く終わらせ様と考えていたA院長は、結局のところ終始、患者のペースで20分も話に付き合うことになっ

たのでした。

 

看護師「院長、次の患者さんですが、今日は奥様も同伴されています。

    どうも最近、認知症が酷くなっている様です。」

 

A院長「なるほど。今日はご主人の診察だけど、奥様の様子も診ておこうかな。」

 

この日の診察は、経過検察と薬の処方だけなので時間はかからないはずでしたが・・・・、。

認知症の酷くなった奥様の話に翻弄されてしまっています。

本人はご主人の同伴で来院しているにも関わらず、自分の昔話をし始めたのです。

結局のところ、この夫婦には30分の時間を要してしまい、午前の診療は、押しに押したのでした。

 

(まとめ)

患者の話をしっかり聞く事で、日常生活の変化に気付くこともありますが、クリニックの外来診療で、そこ

まで時間をかけてはいられません。親身になって話しを聞くのもいいですが、適当な時間で話を終わら

せ、次の患者の診察をしなければキリがありません。

まず、会話の主導権を患者に渡さない様にしなければなりません。話好きの人は、会話の引き出しが多

く、ネタが尽きることがありませんので、自分のペースになると止めどなく話が続きます。

相手のペースにはまりそうになったら、「今度聞くね。」と先生の方から会話を終わらせる様にしましょ

う。時には、看護師が対応する様にすれば、先生が悪く言われることもないでしょう。

フロアマネジャー的な役割のスタッフがいるのであれば、事前に待合室でゆっくり話を聞いてあげ、その

情報は看護師を通じて先生方に伝わる様にしておくとよいでしょう。

また、ある先生は、2診を利用して、話の長い患者を待たせておいて、次の患者の診察が終われば再び話

しに付き合う、という先生もいらっしゃいます。

正解の出しにくい問題ですが、先生方の時間がとられない様にスタッフで対応できることがないかという

視点で考えてみて下さい。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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