Vol.51 患者が来ないから、アルバイトに行こう

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クリニック奮闘記

2018.01.16

クリニック奮闘記

Vol.51 患者が来ないから、アルバイトに行こう

開業して暫くの間は、クリニックに来院する患者は少なく、勤務医時代の忙しさがウソ様な時間を経験さ

れます。これは継承開業をされた先生を除くと、多くの先生が経験されます。

もともとの患者が少ないことに加えて、雨の日となると更に最悪な状態を迎えます。

一日の来院が数人という日が数か月続くこともあり、中にはゼロを経験された先生もいらっしゃるのでは

ないでしょうか。しかし、私から言わせると、そんなことは誰もが経験することで、一つの「通過儀礼」

的な出来事に過ぎません。やがては患者数も増え始め、経営は安定してきます。

開業後の数か月は、未来の「その日」を信じてジッと我慢する時期でもあります。

本日は、開業後、間もないクリニックの院長先生の胸の内を赤裸々に描いてみました。

 

B院長「今日の午前の患者は3人だったね。午後は何人来るかな?昨日は一日で8人、一昨日は10人。開業

             して3月になるけど、こんな調子でやっていけるのだろうか?」

税理士「院長、開業時のシミュレーションでは、当初の6ケ月は1日あたり8人の平均で試算しています。今

              のところ、そんなに悪くないと思うのですが・・・・。」

B院長「シミュレーション通りかもしれないけど、患者が来なくても家賃は払わないといけないし、スタッ

             フの給料も毎月60万円位の出費になってる。それから、税理士先生の顧問料の支払いもある  

             し・・・。」

   「借金の返済やら何やらで、毎月400万円近くの出費は胃が痛くなってくるよ。」

税理士「運転資金は1年分を確保していますから、暫く様子を見てみませんか?」

 

開業時のシミュレーション通りだと説明を受けたB院長ではありましたが、日毎に減り続ける通帳の預金残

高を見ていると、何を言われても落ち着きません。

 

B院長「そうだ、週の半ばは殆ど患者も来ないから、午後からは休診にしてアルバイトにでも行ってみよ

             う。翌日はもともと休診日だから午後診と当直すれば一月50万円くらいにはなりそうだ。」

 

結局、当座の資金繰りを考えて、アルバイトで資金補てんする決断をしたのですが、

果たしてこれでよ かったのでしょうか? 

 

(まとめ)

開業して事業収支として黒字になるには、約1年の期間が必要です。

但しこの時点では、まだ生活費まで稼げていませんので、その分まで入れて黒字になるには、1年半から2

年は必要になってきます。

私が開業支援する場合には、最長で2年分の運転資金を確保する理由がここにあります。

そして、この2年という時間こそ、クリニックを地域に認知させるのに必要な時間なのです。

勤務医時代の忙しい勤務を考えると、心が折れそうな程、暇な現実は受け入れにくいかもしれません。

しかし殆どの場合は2年の間に経営は安定してきます。

患者が来ないからといって、休診にしてアルバイトに行くことで、その場は凌げるかもしれませんが、1年

後、2年後にクリニックが良くなっているイメージが湧くでしょうか?

もしかしたら、休診中にクリニックの前まで来て、休診を知って他院へ行ってしまった患者がいるかもし

れません。この時期は、患者が来なくてもクリニックを開けておくことに意味があります。

前を通った時にシャッターが降りていれば、誰も気が付きません。極端な話をしますと、年中無休でもい

いくらいなのです。

毎日に一喜一憂する必要はありません。一日が終われば、その日のことは忘れて次のことを考えましょ

う。振り返れば、「そんな時期もあったなぁ」と思える日が必ずやってきます。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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