Vol.52 アルバイト医師の勤怠管理

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2018.01.17

Vol.52 アルバイト医師の勤怠管理

患者が増えてきたため、2診体制でアルバイトの医師を雇い入れるクリニックがあります。

卒業大学や医局つながりであれば、紹介者の顔であったり、診察に関する考え方も理解ができるので、比

較的安心して任せられると思います。そころが人材紹介業者を利用する場合など、縁もゆかりもない医師

となると、手放しで任せられない場合もあります。

また、働く姿勢についても同様で、人となりが分かるまで、暫く様子を見ていかないといけないこともあ

るでしょう。

看護師や事務とは異なる医師の勤怠管理について、Aクリニックでは、どの様な方法をとっているのでしょ

うか。またアルバイトといえども、医師を迎えるクリニック側の気苦労なども伺い知ることができるかも

しれません。

 

A院長「来月から火曜日と水曜日の午前はC先生に来てもらいます。C先生のフォローを宜しくお願いしま

              すね。」

事務員「白衣の準備をしてきます。それから念のため予備の聴診器も準備しておきます。」

 

A院長は同居している母親の介護のため、診療をC先生に任せる決断をしました。

頼りにしていた医局は医師不足で派遣する医師がいなかったため、人材紹介会社から紹介されたC先生を採

用したのです。医師としてのキャリアに少し不安を感じてはいるものの、人当たりはいいので、問題はな

いだろうという判断です。難しい判断が必要な場合に備えて携帯電話はいつでもつながる様にしていま

す。

 

診察初日のことです。診療が始まる少し前に、A院長の携帯にスタッフから電話が入りました。

 

受付 「院長、C先生がまだ来ていないのですが、大丈夫でしょうか?」

A院長「えっ!診察5分前だね。C先生の携帯に電話してみるよ」

A院長が電話したには、C先生がクリニックの裏玄関に到着した、その瞬間でした。

C先生 「おはようございます。ギリギリになりましたが、9時からの診察には間に合いました。」

スタッフ「C先生、今日から宜しくお願いします。」

 

C先生が診察室の椅子に座ったのは、診察開始1分前です。

この間、患者で一杯の待合室を見ているスタッフは、気が気でなりませんでした。

診察そのものについては、人当たりのいいC先生だけあって、当初は戸惑っていた患者も診察が終わる頃に

は安心した心持になって帰っていきます。

そして午前診が終わろうとしています。終了間際に患者が飛び込んできました。

受付時間内であったので、いつも通りチェックインを済ませ診察室に患者を通しました。

診察は数分で終わりましたが、C先生が受付スタッフに向かって注意をしています。

 

C先生 「今後は、診察時間終了後に患者を受け付けないで下さい」

スタッフ「初診でしたので、患者登録している間に、時間が過ぎてしまいました。」

C先生 「それでも時間外だから、気を付けて欲しいですね」

スタッフ「・・・・・」

 

(まとめ)

アルバイト勤務の場合、基本的には時間での雇用のため、ギリギリに来て時間通りに退社す

ることに何の問題もありません。しかし社会常識として考えた場合はどうでしょうか?

スタッフなら15分から30分前には出勤する様にしていると思います。医師の場合は、そこまで早く来る必

要はないと思いますが、あまりにギリギリであるのはどうかと思います。

出勤途中に渋滞や、不測の事故に遭遇することもあります。

時間通りに勤務する姿勢としては早めに到着する様に行動して欲しいところです。

次の終了直前の患者の対応についてですが、基本的にはチェックインの時点での患者は時間外であっても

診察しなければなりません。また患者が多い日や、患者の診察内容によって、やむを得ず時間外勤務が発

生する場合もあります。その様な場合に備えて、事前に時間外の手当に関する取り決めをしておく必要が

ります。分単位で考えるのか、30分単位で考えるのか、または患者数でカウントするのかを勤務前に決

めておきましょう。

医療機関側からすると、「困ったときに助けてもらっている」という考えがあるため、勤怠管理は甘くな

りがちです。

お互いが気持ちいい関係でいられるためにも、医師向けの服務規律を作成しておいた方がよいのではない

でしょうか。

 Vol.32アルバイト医師の蜂起

https://medical-takt.com/backnumber/2017/report79.html

Vol.53 歩合で働く医師のモチベーション

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report130.html

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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