Vol.58 毎日がマンネリ。開業医の日常に辟易

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クリニック奮闘記

2018.01.25

クリニック奮闘記

Vol.58 毎日がマンネリ。開業医の日常に辟易

開業して暫くの間は、患者が少ないことへの不安や、スタッフの問題やら、スリリングな毎日が過ぎてい

きます。「院長」と呼ばれることにも気恥ずかしさがあったのでないでしょうか。

これが3年経ち、5年経つと、「院長」としての貫禄も備わり、ちょっとした問題位では動じなくなってき

ます。

いいように言うと経営者としての力が備わってきたと言えますが、逆の見方をすると、慣れてしまって鈍

感になっているともいえます。

本日は、毎日がマンネリで、刺激のない日常を送っているA院長の心の内を探ってみることにします。

 

 

今日も忙しい一日が終わり、スタッフ全員を見送ったA院長。

 「いつもと変わらない一日が今日も終わるなぁ。」と、ふぅ~と溜息を一つつきました。

事件や事故もなく平穏無事に毎日が過ごせることに感謝しつつも、マンネリ化した日常に辟易としてきて

いるのです。

以前は患者が増えて利益が出ることに喜びを感じ、節税対策で高級車を購入することや、友人のドクター

と夜な夜な飲み歩くことが楽しかったのですが、それにも飽きてしまっています。

診療が終われば、帰宅後に晩酌して一日が終わり、これの繰り返しです。

先日、久し振りに友人ドクターと食事に行ったのですが、覇気のない日常を話したところ、こっ酷く叱ら

れたのです。

 

友人ドクター「毎日忙しくていいことじゃないか。そんなにたくさんの患者に来てもらってるんだから、

       いろんな症例も集まるんじゃないのか?」

A院長   「確かに、色んな症例が集まるよ。でもクリニックで出来ることは限られてるから。厄介なの

       は直ぐに他院に紹介しているよ。」

友人ドクター「紹介するのはいいんだけど、自分の専門分野に関してはどうなの?最近は勉強会に参加し 

       てないんじゃないのかな? 勉強しないからマンネリ化するんじゃないのかな。」

 

友人だからこそ敢えて苦言を呈したというのはありますが、確かに不勉強がマンネリ化の一因になってい

ることは否めません。

こうして窘められたA院長は、学会スケジュールだけでなく、製薬会社や地区医師会の勉強会のスケジュー

ルも確認し、できる限り参加する様に予定を調整しました。

 

(まとめ)

開業して毎日の診療が忙しくなると、外部に勉強(研修)に出掛けることが少なくなります。

当然、情報が入ってこなくなりますので、知識もスキルも陳腐化していきます。

1年、2年の単位では大きな変化は見られないかもしれませんが、5年経ち10年経つと、その差は大

きなものとなってきます。

患者を診る医師に覇気がないと、患者も見抜いてしまいます。

勉強会に参加することは一つの切っ掛けに過ぎません。いろいろなことにチャレンジしていきましょう

趣味に時間を割くこともいいですし、年に何回か、思い切って連休を取って旅行にいくのもよいでしょ

う。休んだからと言って患者が減ることはありません。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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