Vol.64 繰り上げ返済してもいいですか?

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2018.02.02

Vol.64 繰り上げ返済してもいいですか?

クリニックの開業時において、内装設備や運転資金等は銀行借り入れ、医療機器等についてはリースで調

達するのが一般的です。

銀行からの借り入れでは、事業計画書を提出してから返済期間や金利交渉を行って、苦労した先生も少な

くないのではないでしょうか。

開業当初は患者も少なく、眠れない日々を過ごすことも多かったのが、患者が増えてくると懐かしい思い

出に変わっていきます。患者が増えて利益が出ると、納税も多額ですがキャッシュフロー(内部留保)も

溜まってきます。

そこで、この際、借金を繰り上げ返済しようと銀行の担当者に相談したところ、思わぬ返事が返ってきた

のです。今回、Aクリニックでは、どんなことが起こったのでしょうか?

 

A院長は、開業時に設備資金として3000万円を借入しました。

返済期間20年、年利0.9%(変動金利) 元金据え置き期間1年という契約条件。

開業当初の患者の少ない時に、元金返済が据え置かれていたことで、キャッシュフロー(手元資金)の余

裕につながりました。

幸い1年後には黒字転換し、以降は財布のひもはガッチリと引き締め、しっかりとお金を貯めてきたのです。5年経った現在、借入残高は2300万円となりました。

これまでに貯めたキャッシュフローで全額返済することも可能なのですが、万一に備えて幾らかの手元資

金は確保することにし、1000万円を繰り上げ返済することにしました。

 

A院長「毎月の返済を減らしたいので、貯金の中から1000万円を繰り上げ返済させてもらえますか?」

銀行員「先生、ちょっと待って頂けますか?返済はゆっくりして頂いて結構ですので、繰り上げ返済は、

    ちょっと待ってもらえませんか?」

A院長「自分のお金なのに、どうして自由にできないの!」

  

(まとめ)

低金利とはいえ、借金の利息は銀行にとっては本業による収入です。低い金利であっても長く借りる程、

銀行にとっては利益になります。

またA院長の貯金は銀行にとっては資産になる訳で、株式や国債等の購入や、他の事業所への貸付に回す原

資になるのです。

従って、銀行にとって「繰り上げ返済」は、敢えて言うなら、して欲しくないことなのです。

繰り上げ返済を強固に拒む銀行の担当者を、どういう訳か説得しているA院長ですが、やがて別の方法で対

応することにしました。(自分のお金なのに、どうして自由にできないの!と怒り心頭の結果・・・)

 

かねてより、営業に来ていた別の銀行から借り換えることにしました。

1300万円を借入し、手元の1000万円を足して、一括返済したのです。

元の銀行担当者が謝りに来ましたが、時すでに遅しで、このタイミングでメインバンクも変更することと

なりました。

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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