Vol.72 院長へ報告するということ

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2018.02.14

Vol.72 院長へ報告するということ

仕事のイロハとして「報告」「連絡」「相談」というのがあります。

組織の規模の大小を問わず、コミュニケーションの大切さはコラムの中で何度もお話ししてきました。

仕事はチームで行うものですから、ベクトルを合わせる意味においても、「報連相」は大事なファクター

です。些細なことからトラブルまで、一人で抱え込まずに周囲に情報発信していくことで、効率よく問題

を解決していくことができます。しかしながら情報の性質や内容に応じて、どの階層に「報連相」するの

かは各人が考えなくてはなりません。

スタッフ同士で行う「報連相」と、院長へ行う「報連相」とでは意味が異なります。

本稿ではクリニックで働くスタッフがとった「ある行動」について、院長へ報告するとはどういうことな

のかを考えてみたいと思います。

 

スタッフC「残業も多いし、有給も取りにくい。帰りが遅いのも嫌になってしまうわ。」

スタッフD「そうね、でもその分、お給料も高いから私は頑張れるわ!」

スタッフC「確かにお給料は頂いているわ。でもこれだけ働いているんだから当然にも思えるし・・・。」

 

こんな感じで、職場に対する不満を毎日の様に他にスタッフに愚痴っています。

そんなスタッフCが、ある時、院長にも愚痴をこぼしたのです。

 

スタッフC「先生、帰宅が遅いのがつらいので、他のクリニックに行こうかと考えてるんです。有給もとれ

                     ないですし・・・。」

院長   「辞めるということかね?もう少し頑張ってくれないかな?」

スタッフC「3月には退職したいと思ってるんですよ。」

 

院長は、形どおり遺留はしたものの、「去る者は追わず」でそれ以上のことは言いませんでした。

2ケ月後には退職すると宣言していたので、早速求人広告を出し、スタッフの募集を開始したところ、ス

タッフCが院長にこんなことを言い始めました。

 

スタッフC「院長、私、やっぱり辞めるのをやめました。!」

院長   「今更、何を言ってるんだね。求人も出している状況で、そんなことがよく言えたもんだ          

                    ね。」

 

(まとめ)

スタッフのCさんは、どんな気持ちで院長に退職の意思を表明したのでしょうか。

それまでに、スタッフ同士で退職をほのめかす発言をしています。

もしかすると院長に対してもスタッフに話すのと同じ「愚痴感覚」で話していたのかもしれません。

スタッフに対する「相談」の段階は何の問題もありません。愚痴ることがガス抜きになっていることもあ

ります。

ところが院長に対してとった行動は、この場合、「相談」ではなく「報告」となります。

「報告」を受けた院長がすべき次の行動は、「決断」することです。

もしかすると日頃のフレンドリーな雰囲気が災いしたのかもしれません。

院長へは「相談」として、残業時間対策や有給取得についての解決策を求めれば最悪の事態にはならな

かったと思われます。スタッフCの発言により院長は求人を出す決断をしました。

当然、費用も発生してるのですから、簡単に発言を撤回できるものでもありません。

長(経営者)の決断はそれほど重たいということを、スタッフにも表明しなければなりません。

院長は言葉を違えることなくCを退職させることにしましたが、それはクリニックの秩序を守るためである

と確信しています。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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