Vol.73 リーダーの仕事

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2018.02.15

Vol.73 リーダーの仕事

事業規模の拡大に伴いスタッフの人数が増えてくると、現場の隅々までは院長の目も届かなくなってきま

す。直接の指示ができないだけでなく、実質的な労務管理は不可能である。

そうなると現場をまとめるリーダーを選任する必要が出てくるのであるが、 企業ならいざ知らず、クリ

ニックで適任者と言える人材が果たしているでしょうか? 院長が直接指導することもままならず、そう

かと言って、出来上がった人材を採用することもできません。

本稿では、少し規模が大きくなりリーダー的な存在が必要となったクリニックにフォーカスしてみしょ

う。クリニックにおける「リーダー像」とはどんなものなのでしょうか。

 

Bクリニックはデイサービスを併設した整形外科クリニックです。

スタッフの配置としては、クリニックの外来部門としては、受付スタッフ、診察室の看護師、処置室の看

護師、リハビリ室にPTやマッサージ師が陣取っています。

また併設されたデイサービスには、施設長を筆頭に、ケアマネージャーや介護スタッフが勤務しており、

総勢で30名を超える陣容となっています。

B院長の一日は、診察室とレントゲン室を行ったり来たりで、時々、処置室を覗いては患者に声を掛けると

いうものです。こんな調子ですから、リハ室の把握も疎かで、ましてデイサービスのスタッフを管理する

ことなどできるはずもなく、施設長に全権委任している状態です。

リハ室についても同様に主任PTを任命して業務を委譲しています。

では、それぞれのリーダーの仕事ぶりは如何でしょうか?少し覗いてみたいと思います。

 

(リハ室にて)

主任PTは、部下のPTと同じく患者の処置に追われている。

リハビリの予約患者と外来診察から流れてくる患者が入り乱れ、患者が右往左往しており待ち時間も発生

している。業を煮やした患者が近くの看護師に苦情を言っている様だ。

 

(デイサービスにて)

休んでいるスタッフが多いからであろうか?

利用者が椅子に座って待っている状態なのに、フロアには殆どスタッフが見当たらない。

送迎の車が到着したため迎えに行っているのかもしれない。

施設長も一緒になって車椅子の送迎を手伝っている。

一通りの送迎が終わった後、施設長は部屋にこもり何やら事務作業をしている様である。

 

(まとめ)

ひとくくりに「リーダーの仕事」と言っても、職場によってもその定義は異なります。

一般論で言うと、部門全体の生産性を向上させること、スタッフの労務管理を行うこと、となりますが、

具体的な中身を掘り下げてみましょう。

 

リハ室、デイサービスの両方に共通して言えることは、部門として求められる成果が認識されており、達

成のための責任感が伴っていることである。(コミットメント)「求められる成果」とは、院長がそれぞ

れに課したミッションのことです。例えば、リハ室であれば、一日の処置件数に目標を設定する。(この

場合、外来から予約なしにリハビリを行う場合はカウントしない、などルールを設定すること。)

デイサービスについても同様に利用者数に目標設定を行い、数値管理することである。部門管理の基本と

して売上目標(売上管理)は必須です。

患者(利用者)本意のサービス提供をするためにも売上が必要であり、利益が伴わなければ継続できない

からである。

次に達成のための行動計画を、スタッフ各人事に設定します。

「頑張れ!」といっても人は動きません。頑張り方(仕事の方法)を理解して初めて行動が伴ってきま

す。リーダーの仕事の要諦はここにあります。

スタッフ各人がモチベーション高くして働ける環境を整えてあげましょう。

労務管理をする根本的な目的もここにあるのです。Bクリニックの様に人手が足らず、一緒になって働かな

ければならない時もありますが、自分の仕事に留まらず全体を俯瞰することがリーダーに求められる能力

です。そして最終的に各リーダーの結果については院長(経営者)が全てを負うということになります。

  

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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