2018.02.16
Vol.74 看板方式で在庫管理
使用頻度の高い物品を集中的に管理する方法については、Vol.26「物品管理と棚卸」でお話しをさせて頂
きました。80:20の法則で主要なものに限定して管理をしていくというものです。
管理する目的としては、「欠品しないための商品管理」「過剰在庫を抱えないための商品管理」の2点が挙
げられます。前回は在庫総数の把握をするための手法の解説をさせて頂きましたが、本稿ではもう少しブ
レイクダウンして、適正在庫をキープするために、どの時点で発注をかけるかを検討してみたいと思いま
す。より詳細な手法についてはコンサルレポートVol.3「在庫管理と利益の相関関係」、Vol.8「棚卸でわか
ること」を参照してください。在庫管理手法で有名な、「トヨタの看板方式」の解説です。
看護師長 「在庫管理をする様になって、以前と比べると欠品はなくなったわね。」
看護師A美「でも欠品を避けるあまり、まとめ買いしている薬品とかもありますよ。」
看護師B子「期限切れになる前に使わないといけないし、余らない様に発注しましょう。」
この様に看護師さんが在庫表を作成し、納品数量と払い出し数量の管理を時系列に管理する様になり、欠
品はなくなりました。しかしながら欠品を避けるがために余分に購入しているため、使用期限切れの恐れ
も出てきています。在庫がダブつかない様に発注するにはどの様にすればよいのでしょうか?
(まとめ)
在庫の全体数量が把握するために、「在庫表」が存在することが大前提です。(80:20の
法則により管理された主要品目だけでよい)では、以下の順序に沿って発注点を探っていきます。
・各品目の一日当り、一週間単位の使用数量の目安を出します。(最初は感覚的でもよい)
・残数がゼロになる2営業日前(短すぎず長すぎず)程度のところに目印を付けます。
・発注量は最大でも1ケ月で消費できる量にすること(通常商品の場合、翌日には納品可)
・使用期限を気にしなければならないモノについては、納品日と使用期限日をマジックで記載する。
・使用期限月ごとに物品管理表を作成し、期限月の月初に院長先生に報告する。
・発注点と発注数量については、必ず、適宜見直しをかけること。
商品在庫は使用して初めて、その価値を生み出します。
死蔵品(デッドストック)はお金を捨てているのと同じです。逆に、デッドストックの削減は、すなわち
利益に直結するのです。現場からムダをなくし、筋肉質の経営を目指していきましょう。
メディカルタクト 代表コンサルタント 柳 尚信
(参考)
トヨタ「ジャスト・イン・タイム」方式
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/vision/production_system/just.html
Vol.26 物品管理と棚卸
https://medical-takt.com/backnumber/2017/report68.html
Vol.66まとめ買いは本当に得しているのか?
https://medical-takt.com/backnumber/2018/report203.html
コンサルレポートVol.3【在庫管理と利益の相関関係】
コンサルレポートVol.8 【棚卸でわかること】
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