2018.02.06
Vol.66 まとめ買いは本当に得しているのか?
スーパーなどの特売で「まとめ買い」をしたことがある人は多いと思います。
単品で購入するよりも、まとまった単位数量で購入した方が一個当たりの単価が安くなるのはわかります
が、腐って廃棄処分しなければならないということもあると思います。
そうなると果たして本当に安く購入できていると言えるでしょうか?
「まとめ買い」をする場合には、使用期限内に消費できるか、長期に在庫として滞留しないだけの数量に
なっているのか、などを考慮する必要があるのですが、現場のスタッフはどう考えているのでしょうか?
いつものAクリニックを覗いてみることにしましょう。
事務員A「コピー用紙がなくなりそうだから、まとめて買っておきましょう。
まとめ買いすれば30%OFFになるから得だよね。」
事務員B「コピー機のトナーもセールしてるみたい。
1本1万円以上するけど、5本まとめるとこれも30%OFFになるみたいね。」
事務員C「どうせ使うものだから買い置きしておきましょう!」
看護師A「カット綿と絆創膏も余分に買っておいてもらえますか?」
こんな感じでセールに目がないスタッフ達は、当面必要のない物品を「まとめてついで買い」
することで安く購入したと思っています。
ところが・・・・。
事務員C「あれ?コピーのトナーが、こんなところに・・・・。コピー用紙も随分前に購入したのが、こん
なところに残ってるじゃない!」
倉庫の在庫も確認しないまま、いつも「まとめ買い」をしているスタッフたち。一品ずつの購入単価は安
いのかもしれませんが、在庫として残っていることを考えると賢い買い方と言えるのでしょうか?
(まとめ)
今回の事例で問題になるのは次の点です。
・在庫を確認せずに、安いからという宣伝文句につられて追加購入している
・在庫が長期に滞留している可能性がある
・消耗品の使用期限が切れていないか
・物品の在庫管理ができていない
これらは一例にすぎないのですが、実は根っこは深いところにあります。
全ての物品に関しても同様のことが言える可能性があります。
事務用品であれば廃棄することはないとは思いますがトナーなどは高価な品物です。
在庫として余分にストックしておく必要はありません。
本体が故障などにより買換える様なことになれば、使用できなくなることもあります。
在庫を置くスペースもタダではありません。
物品を置いている、「そのスペース」にも家賃を払っているのです。
またコピー用紙の場合、過剰在庫も問題ですが、余分な在庫は無駄使いの基にもなります。
コピー機の横の段ボール箱に沢山のミスコピーが入れられている光景はよく見られます。
沢山あると思うと大事に使おうと考えなくなります。
せっかく安く購入しても、無駄にコピーしていたのであれば何の意味もありません。
また、在庫管理ができていないということは、うがった見方をすると、私的流用の可能性も否定できない
のです。
結論としては、購入単価は多少高くても、必要な時に必要な数量だけ購入すること。
余分な在庫がないので在庫管理も必要なくなります。
これを「当座買い(一升買い)の原則」といい、「京セラの稲盛流会計学」でも推奨されています。
メディカルタクト 代表コンサルタント 柳 尚信
(参考)
稲盛和夫の「実学」
http://www.nikkeibook.com/book_detail/19006/
稲盛会計学 7つの基本原則
http://www.kyocera.co.jp/inamori/management/accounting/accounting01.html
クリニック奮闘記Vol.26 物品管理と棚卸
https://medical-takt.com/backnumber/2017/report68.html
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