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2017.12.07

Vol.26 物品管理と棚卸

  Vol.11(スタッフの親が来院https://medical-takt.com/backnumber/2017/report45.htmlの講では、

薬品の無断持ち出しについてお話しさせて頂きました。

悪意があろうと無かろうと犯罪行為には違いありません。

本稿では、物品管理の部分を更に掘り下げてお話しをしたいと思います。

 

B整形外科クリニックは院長を筆頭に、正社員として看護師、放射線技師、リハビリスタッフ、事務スタッフが30名。パートスタッフを入れると50人以上の大所帯です。

スタッフ間でも、互いの顔や名前が分からない人が何人もいます。

B院長でさえも、すぐに名前が出ない時があるほどです。

このクリニックで最近ある問題に直面しています。院内の物品がなくなるのです。

正確に言うと、無くなっているかもしれない・・・、のです。

毎日の外来患者が200人を超すクリニックでは、患者対応だけで精一杯。

事務作業は後回しにされるか放置されています。

当然、物品管理をする時間なんてありません。というのがスタッフの言い分です。

 

看護師A美 「一昨日、納品したはずのシリンジと注射針がもうないわね。」

看護師B子 「ワセリンとか軟膏も見当たらなかったよ。」

看護師長  「使い切っているはずもないから、誰かが持ち出しているかもしれない。」

      「明日から在庫チェック表を作って確認する様にしましょう」

 

看護師長の発案で在庫表を作成することになり、看護師のA美が在庫を確認するために棚卸を行うことになりました。ところが、院内の倉庫にある物品点数が多くてA美ひとりではなかなかはかどりません。

 

看護師A美 「師長、勤務時間中に一人でするのは無理です。人を増やしてもらえないでしょうか?」

看護師長   「そうは言っても、忙しくて、これ以上の人出はさけないし。」

看護師長は、簡単に棚卸ができないかコンサルタントに相談してみました。

 

コンサルタント「全部の棚卸は諦めましょう。よく使う物品に限定してリストアップしてみましょう」

看護師長   「これなら何とかできそうですね。」

コンサルタント「まずは毎月1回、棚卸をしましょう。

                             毎日の払い出しもノートで管理する様にすればロスの把握もできると思いますよ。」

 

(まとめ)

決算期末においては全件棚卸をする必要がありますが、期中においては物品管理のための棚卸で事が足ります。毎日使用する物品から始めましょう。サイズごとに分類して在庫表を作成します。

次に、払い出しノートを作成し、①何時②誰が③何を④いくつ(数量)持ち出したかを記録する様にします。そうして月1回の棚卸により在庫点数をチェックします。

重要物品については責任者を決めて毎日在庫を確認する様にした方がよいでしょう。

日々の業務の中で動く物品の種類は、実はそれほど多くはありません。

20対80の法則に従えば、20%の物品で全体の80%を占めていると考えられます。

細部にこだわりすぎて何もできないより、できるレベルで業務を組み立てた方が現場の改善になります

              

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                             代表コンサルタント  柳  尚信

 

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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