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2021.04.06

Vol.666 これからのクリニック経営を考える

『クリニックにも経営の概念を!』というのは、弊社の一貫したポリシーであり、これまでにも"クリニック奮闘記"の中でお話しを繰り返してきました。コロナ禍2年目に突入という状況の中、未だに出口は見えていません。未曾有の難局を乗り越えるために、経営者である院長先生がすべきことを考えてみましょう。

 クリニックや病院などは公民にかかわらず、社会インフラの一部ですから倒産させる訳にはいきません。何が何でも生き残らなければならないのです。そのためにも、雇用調整助成金、持続化給付金、緊急融資などの制度はフル活用すべきでしょう。何度もお話ししてきましたが、この様な対策は"対症療法"に過ぎません。補助金や助成金は返還の義務はありませんが、融資に関しては返済する義務があります。返済が免除されるのではないか?と巷で噂されることはありますが、楽観視することはできません。返済のための原資は"利益"にあります。先生方は、どの様な考えに基づいて融資を受けられているでしょうか?

 

・運転資金として利用するため

・感染拡大防止のための設備投資

・患者サービスのための積極的な設備投資

・万一に備えて資金を確保している(別段預金として手を付けていない)

 

この中で問題となるのは、"運転資金"としての利用と"感染拡大防止"の設備投資です。お分かりのとおり、収入に還元されることのない資金利用です。積極的な設備投資の場合は、患者増につながる可能性を持っていますので利益という形で還元されるため返済が可能となりますが、前者の場合は返済の原資を生み出していないのです。

 

やがてコロナ禍が終息し、日常を取り戻す頃、経営の立て直しを迫られることになります。

借入金を運転資金等で使ってしまっている場合、コロナ前の利益水準以上の利益を出さなければ、先生方の可処分所得は減ることになります。院長報酬で吸収できるくらいの借入金返済であればよいのですが、1億円程度になると簡単にはいかなくなります。

※1億円の借入を10年返済とすると、年間1000万円の元金返済となります。

つまり、可処分所得が1000万円減少するということになります。

 

(まとめ)

この様な状況が現実味を帯び始めています。倒産(閉院)しないまでも、借金を返すためにクリニック経営をしなければならない先生がでてくるかもしれません。

そうならないために、クリニック経営で考えなくてはならないことは・・・・・・。

・売上ゼロの状態が続いた場合に備えて、固定費の6ケ月分の資金を内部留保もしくは個人預金で用意できる様にしておく。

・そのためには、毎期利益を計上し手元資金を蓄えておかなくてはなりません。

※中小零細企業(事業所)の弱みは資金力にあります。いつも銀行が助けてくれるとは限りません。自己金融(内部留保と個人資産)が先生方の最後の切り札なのです。

 

代表コンサルタント  柳  尚信

 

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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