Vol.667 ヒューマンエラーとシステムエラー

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2021.04.07

Vol.667 ヒューマンエラーとシステムエラー

職場では様々なトラブル(失敗)が発生します。重大事故に繋がらない様にとヒヤリハット事例を上司に報告し改善策を講じなければならない・・・というのは誰しも理解しているところではあります。しかし問題の原因が何処にあるのか? を的確に把握していなければ改善策を立てることができません。本稿では、事例をもとに考えてみたいと思います。

https://medical-takt.com/backnumber/

 

Aクリニックでは、ある患者からクレームを受けました。診察終了後、血液検査を終え会計待ちをしていましたが、その状態で30分放置されていたというものです。さて、原因は何処にあったのでしょうか?

 

院長「昨日の患者さんからのクレームについて、皆で話し合いましょう。患者さんから指摘された内容を要約すると・・・・。」

・看護師と受付のコミュニケーション不足

・待合で長時間待っている患者に対して、受付スタッフが無関心であったこと

 

看護師長「採血が終了した段階で、指示箋が入ったファイルを、受付に返却するルールになっているだけど、返却してなかったの?」

 

看護師B「指示箋に私のサインをして、ファイルは受付にある所定の場所に返却しました。」

 

看護師長「返却する際に、受付スタッフには声はかけなかったの?」

 

看護師B「忙しかったので、声掛けはしなかったと思います。」

 

受付スタッフC「電子カルテを見れば、処置に入っているのは分かっていました。患者さんの様子を気にしていなかったのが問題だったと思います。」

 

受付スタッフD「手元の作業に集中していて、待合室の見守りができていませんでした。」

 

院長「マニュアルには患者さん対応について細かく記載があります。今回の件では、指示箋を受付に返却するところまでは問題がなかった。問題は皆さんの"気付き"にあったのではないでしょうか?」

 

(まとめ)

Aクリニックの事例の場合、業務マニュアルが作成されており、今回の事例でも手順通りの作業工程で進められています。ところが、システムを運用するスタッフが"システムチェック"を怠ったことに原因がある様です。

・看護師がファイルを返却する際に、受付スタッフに声掛けをすること

・受付スタッフは待合室の様子に注意をすること(急変する場合もあるため、注意する必要があります。)

ミスの大半は『ヒューマンエラー』にあります。Aクリニックでは業務マニュアルも整備されており、今のところは業務フローの問題はないようです。

失敗の原因が『ヒューマンエラー』なのか、マニュアルや機器の運用に起因する『システムエラー』なのかを検証した上で、対策を講じるようにしましょう。

 

代表コンサルタント  柳  尚信

 

職場では様々なトラブル(失敗)が発生します。重大事故に繋がらない様にとヒヤリハット事例を上司に報告し改善策を講じなければならない・・・というのは誰しも理解しているところではあります。しかし問題の原因が何処にあるのか? を的確に把握していなければ改善策を立てることができません。本稿では、事例をもとに考えてみたいと思います。

https://medical-takt.com/backnumber/

 

Aクリニックでは、ある患者からクレームを受けました。診察終了後、血液検査を終え会計待ちをしていましたが、その状態で30分放置されていたというものです。さて、原因は何処にあったのでしょうか?

 

院長「昨日の患者さんからのクレームについて、皆で話し合いましょう。患者さんから指摘された内容を要約すると・・・・。」

・看護師と受付のコミュニケーション不足

・待合で長時間待っている患者に対して、受付スタッフが無関心であったこと

 

看護師長「採血が終了した段階で、指示箋が入ったファイルを、受付に返却するルールになっているだけど、返却してなかったの?」

 

看護師B「指示箋に私のサインをして、ファイルは受付にある所定の場所に返却しました。」

 

看護師長「返却する際に、受付スタッフには声はかけなかったの?」

 

看護師B「忙しかったので、声掛けはしなかったと思います。」

 

受付スタッフC「電子カルテを見れば、処置に入っているのは分かっていました。患者さんの様子を気にしていなかったのが問題だったと思います。」

 

受付スタッフD「手元の作業に集中していて、待合室の見守りができていませんでした。」

 

院長「マニュアルには患者さん対応について細かく記載があります。今回の件では、指示箋を受付に返却するところまでは問題がなかった。問題は皆さんの"気付き"にあったのではないでしょうか?」

 

(まとめ)

Aクリニックの事例の場合、業務マニュアルが作成されており、今回の事例でも手順通りの作業工程で進められています。ところが、システムを運用するスタッフが"システムチェック"を怠ったことに原因がある様です。

・看護師がファイルを返却する際に、受付スタッフに声掛けをすること

・受付スタッフは待合室の様子に注意をすること(急変する場合もあるため、注意する必要があります。)

ミスの大半は『ヒューマンエラー』にあります。Aクリニックでは業務マニュアルも整備されており、今のところは業務フローの問題はないようです。

失敗の原因が『ヒューマンエラー』なのか、マニュアルや機器の運用に起因する『システムエラー』なのかを検証した上で、対策を講じるようにしましょう。

 

代表コンサルタント  柳  尚信

 

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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