2021.05.10
クリニック奮闘記
Vol.670 新人教育する環境をつくる
経営の舵取りをする上で、院長先生は様々な視点を持たなくてはなりません。毎日、毎月のクリニック運営で必要なこと(すべきこと)、クリニックの将来に向けて取り組まなくてはならないものと、時間で考えると『短期的』『中長期的』に分けられます。
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Aクリニックは地元でも評判の繁盛クリニックの一つです。競合クリニックの多い"内科"という診療科目でありながら、地域で盤石な基盤を築いてきました。
しかし、A院長にも悩みがない訳ではありません。
それはスタッフの人材育成に関することです。
現在勤務しているスタッフは経験者ばかりで、看護師だけでなく事務スタッフも大ベテランのスタッフが揃っています。開業当初は採用してもすぐ退職してしまい、一年勤務すれば古株になる様な出入りの激しいクリニックでした。そこで給与を地域一番の水準まで引き上げスタッフを確保する様にしてきました。その結果、経験者中心の採用ができるようになったため、教育研修の必要がなかったのです。当初はこれで良かったのですが、上手く機能しない様になってきました。スタッフの家庭環境の変化にともない、働き方にも変化が出てきたのです。子供の成長に従って学校行事が増え、勤務日数が減る様になりました。同年代のスタッフが多いため、同じ理由で勤務が少なくなるスタッフが増えてきます。仕方なく、新規募集をすることになりましたが、応募にくるのは子育てが終わったばかりのブランクのある看護師、事務スタッフに至っては業界未経験です。採用後はクリニック内で教育していかなくてはならないのですが、"人に教える"ことをしてこなかったスタッフばかりです。"自分がやった方が早い"という理由でベテランスタッフは教えようとしません。居場所のない新人スタッフは、短期間で退職していきます。見かねた院長は、急遽スタッフを招集しミーティングを行いました。
A院長「知っての通り、人の手が足りていない状況です。経験の乏しいスタッフや初心者の採用も積極的にしていきます。皆さんにお願いがあります。"仕事を教えること"も皆さんの仕事なんだということを・・・。」
(まとめ)
開業してから閉院するまでの約30年間、何人ものスタッフが入退職していきます。いつも先生が求めるスタッフが採用できるとは限りません。一定レレベルに達していないスタッフであっても、教育訓練して一人前に育てることによってクリニックの戦力にすることができます。人材育成には時間がかかります。現場のスタッフを巻き込んで、『教え合う環境』をクリニックの風土にしていきましょう。
代表コンサルタント 柳 尚信