Vol.671 調剤薬局との連携

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2021.05.11

Vol.671 調剤薬局との連携

院外調剤をする上で調剤薬局との連携は、経営上の重要テーマであると言えます。調剤報酬で潤っていた時代とは異なり、薬局側も待っているだけでは運営が難しい環境になってきました。そんな中、Aクリニックの移転に伴う調剤薬局との失敗例をご紹介していきましょう。https://medical-takt.com/backnumber/

 

Aクリニックは現在の場所では手狭になってきたため、近隣の空きテナントに移転することになりました。隣り合わせで20坪の空き区画もあったため、薬品卸業者を通じて調剤薬局も誘致することになりました。隣に調剤薬局ができることで患者の利便性も上がることからA院長は大喜びです。

移転開業まで2か月となったところで、調剤薬局のオーナーからや薬局の開設がひと月遅れると連絡が入りました。理由は建築工事の遅れと知らされました。とはいえ、クリニックの移転は遅らせることができないため、こちらは予定通りにすすめていきます。

調剤薬局に関しては、従前より近隣にドラッグストアなどもあることから、特別不便になるということもありません。

やがて・・・、ひと月遅れで漸く薬局が開設されました。開設初日から、Aクリニックの患者も流れていきます。午前の診療が終わったころ、管理薬剤師が訪ねてきました。

 

管理薬剤師

「先生が処方されたお薬の納入が明日になるため、本日は対応できませんでした。他にもジェネリックの納入が遅れているのですが、こちらは来週には準備できると思います。」

 

A院長は空いた口がふさがりません。開設がひと月遅れただけでも、経営的には大変な状態です。直接的ではないにしてもクリニックにも損害が発生しています。その上にAクリニックの採用薬が揃っていないというのは問題外です。

 

(まとめ)

ウソの様なお話しなのですが、時々、こんなことが現場では起こっています。何もしないで処方箋が来るのも待っていることに慣れてしまっています。こんな薬局と組んでしまったクリニックが可哀そうです。

 

調剤薬局のオーナー様に・・・・他人事と思わないで頂きたい。クリニックの繁栄が薬局の繁栄に繋がることを考えれば、やるべきことは明白です。工事スケジュールが遅れるのは建築業者の責任ではありません。採用薬の打合せは早くからすべきです。オープンに合わせて薬の在庫確認なんて当然です。

 

代表コンサルタント  柳  尚信

 

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本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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