Vol.696 医療事務スタッフが評価されるために

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2024.03.13

Vol.696 医療事務スタッフが評価されるために

私がレセプトに関する仕事をしている理由の一つに、医療事務スタッフの社会的評価を向上させたいということがあります。医師を始めとする医療スタッフの診療行為を集計して請求するという大切な業務であり、経験と知識が必要な高度な内容です。ところが業務の評価だけでなく給与面においても評価が高いとは言えません。『国家資格が必要な業務ではないから』『そんなものだと諦めている』『誰でもできると思われている』など、様々な意見をお聞きします。高度な業務であるにも関わらず、どうして評価れないのでしょうか?

私は、二つの側面があると考えています。

①医師を始めとする医療者の認識の低さ

患者の命や健康と直面している医療者とは、その責任感と緊張感は比べ物にならないということ。もちろん、命や健康の前には比べる物などありません。しかし、その医療行為を金銭的価値に置き換えるのがレセプト業務なのです。どんなサービスも金銭的付加価値を得ることができなければ継続することはできないのです。医療はチームで行うものですが、医師と看護師だけでなく、医療事務スタッフも同じチームなのです。その役割と価値の認識はすべきであると思っています。

②医療事務スタッフの仕事の仕方にも問題がある

スタッフの方にも問題があります。レセプト業務をとって考えてみましょう。月初に点検用のレセプトでチェックし、不備を修正し診療報酬の請求を行う。そして、院長先生に『レセプト業務完了』の報告を行って終了という流れです。ほとんどの医療事務スタッフは、これが仕事だと思っています。確かに仕事ではありますが、一連の流れは『作業』であり、『診療報酬請求のための手続き』に過ぎません。いわゆる事務作業なのです。作業は、いずれ機械にとって代わられる可能性のある業務であり、いくら頑張っても評価されることはありません。することが当然の業務だからです。

では、どうすれば評価される業務となるのでしょうか。私は、スタッフ全員を巻き込んでレセプト知識を共有すること。特定の人しかできない業務ではなく、全員が同じレベルでできる様にお互いが、高め合うことができるにすることが重要だと考えています。

また、医師ともレセプト情報に関して情報共有すべきでしょう。医事スタッフはレセプトに関しては、医師よりも精通しています。請求内容だけでなく、常日頃から算定についてのレクチャーを受けるようにした方がよいでしょう。医療事務スタッフも率先して、院長先生に情報発信しなければなりません。院長先生にレセプトを教えてください。院長先生はレセプトから経営を考えてください。そうすることで、単なる作業としての"医療事務"ではなく、経営に生かすことができる情報に変えることができます。

医療者側の認識を変えること、そして医療事務スタッフの仕事の仕方を変えること、評価される仕事にすることでクリニック経営がよくなるのです。

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本当は知りたい失敗談!!

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