Vol.811 訪日外国人の診療で気を付けるべきこと

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クリニック奮闘記

2024.12.16

クリニック奮闘記

Vol.811 訪日外国人の診療で気を付けるべきこと

訪日外国人の診療で気を付けないといけないことは、日本人患者との診療と比較して、いくつかの点で注意が必要です。以下に具体的な注意点と、その理由を解説します。

訪日外国人の診療で注意すべき点

1. 言語の壁

  • 通訳の確保: 専門用語や複雑な症状の説明は、通訳を介しても正確に伝わるか不安が残ります。医療機関によっては、多言語対応可能なスタッフを配置したり、外部の通訳サービスを利用したりするなどの対策が必要です。
  • シンプルな言葉遣い: 専門用語を避け、可能な限り平易な言葉で説明するよう心がけましょう。視覚的な資料を用いることも効果的です。

2. 文化的背景の違い

  • 宗教: 血液製剤や特定の医療行為に対して、宗教的な理由から拒否する患者もいます。事前に患者の宗教について確認し、尊重することが大切です。
  • 食文化: 食習慣やアレルギーに関する情報収集は必須です。
  • 身体接触: 身体接触に対する感覚は文化によって大きく異なります。患者が不快に感じるような行為は避けましょう。

3. 医療制度の違い

  • 保険制度: 日本と自国の保険制度の違いについて、患者に正確に説明する必要があります。
  • 治療費: 治療費の目安を事前に提示し、患者が経済的な負担を感じないように配慮しましょう。

4. 行動様式の違い

  • 時間観: 日本人よりも時間にルーズな傾向がある場合もあります。予約時間に遅れる可能性も考慮し、柔軟に対応できるようにしましょう。
  • コミュニケーション: 直接的な表現を好まない文化圏の人もいます。間接的な表現や非言語的なコミュニケーションにも注意を払いましょう。

5. その他

  • 緊急時の対応: 緊急事態が発生した場合に、どのように対応するか事前に計画を立てておくことが重要です。
  • 医療情報提供: 患者が理解しやすいように、多言語で作成されたパンフレットやウェブサイトを用意しておくと便利です。
  • 医療機関の国際化: JCI(国際医療福祉事業認証機構)の認証取得などを目指し、国際的な基準を満たす医療機関を目指しましょう。

訪日外国人患者への対応のポイント

  • 患者の不安を解消する: 言葉の壁、文化の違いなど、患者が抱えている不安を理解し、丁寧に説明することが大切です。
  • 多文化理解を深める: さまざまな国の文化や習慣について学ぶことで、患者とのコミュニケーションを円滑に進めることができます。
  • チーム医療: 医師だけでなく、看護師、薬剤師、事務スタッフなど、多職種で連携し、患者に最適な医療を提供しましょう。

まとめ

訪日外国人の診療では、言語、文化、制度など、様々な違いに配慮する必要があります。これらの違いを理解し、患者に寄り添った医療を提供することで、国際的な医療機関としての評価を高めることができます。