Vol.820 働きかた改革とリスキリング

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クリニック奮闘記

2025.01.06

クリニック奮闘記

Vol.820 働きかた改革とリスキリング

働きかた改革と聞いて、皆様はどの様にお感じになるでしょうか。

有給休暇の取得、残業時間について法的規制が設けられ、事業所としては、業務とスタッフの健康面(肉体的、精神的)に留意しなければならなくなりました。しかしこの文脈の中には仕事の成果について、あまり言及されていないように思います。

本項では働きかた改革について、私が考えている別の側面を政府の推奨しているリスキリングに絡めてお話をしたいと思います。

コロナ禍ですっかり定着した在宅ワーク(リモートワーク)ですが、これによって働きかたに多様性ができたことは周知の事実であります。

メリットとしては以下の3点が挙げられます。

・通勤による移動時間がなくなっただけではく、移動中の交通トラブルに見舞われるリスクも軽減される

・時間的な自由度が高い在宅勤務

・仕事(作業)に集中できる環境が与えられるため、業務効率が向上する

これに反してデメリットを挙げてみると

・仕事とプライベートの境界が不明瞭になる

・業務に関する自己管理が難しい面がある

・仕事に集中しすぎることがある

・OJT(On the job trainning)による指導を受けることができないため、全ての業務に関して自己完結する能力が必要

物事には良いことばかりではなく両面がありますが、今一度、整理しておきましょう。

先述のように働き方改革では、時短勤務と有給休暇の積極的な取得が謳われていますが、この背景には『生産性の向上』という大前提があることを忘れてはなりません。

例えば、これまで10時間(8時間+2時間残業)で100のアウトプットを出していた人が、8時間勤務で100のアウトプットを求められるわけです。時短のために業務効率を上げなければならないことが理解できると思います。

ところが、8時間しか働けないからと80のアウトプットしか出せないとしたらどうなるでしょうか。

日本の法律では特別の理由がなければ給料を下げることはできませんから、来月から言及されることはないでしょう。しかしながらパフォーマンスが落ちているという現実は如何ともしがたく、数年のスパンの中で給料には調整が入っていきます。

つまり昇給していかないということになります。

次に、業務効率を上げるためにすべきことについてお話します。

医療業界で遅れているデジタル化(医療DX)の推進です。DXにより作業効率を最大化していきましょうということです。

そして個人に関係するのが『リスキリング』です。学び直しという文脈で用いられていますが、簡単に言うと政府が補助金(助成金)を支給するので勉強してくださいと提唱しているのです。

DXやリスキリングに税金を使ってくれているのですから、そこに乗らない手はないと思います。

働きかた改革の恩恵を享受できるのか、はたまた乗り遅れていくのかは、あなた次第ということになります。

頑張る人には道は開けるのですが、頑張らない人には将来が見えてこないということメッセージをしっかりと受け止めていきましょう。