Vol.836 Think small(小さく考える) で経営を考える

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クリニック奮闘記

2025.01.29

クリニック奮闘記

Vol.836 Think small(小さく考える) で経営を考える

『Think small(小さく考える) 』はアメリカの超大手スーパーマーケットチェーンの"ウォルマート"の創始者、サム・ウォルトンの言葉です。総資産2000億ドルを超える企業の創業者精神が、"小さく考える"なのです。この言葉はいろんな示唆を私たちに与えてくれます。本稿では、現場のマネジメントにおいて、どのように考えるべきなのかを『Think small』を通じてまとめてみたいと思います。

 

会計事務所や経営コンサルタントがよく使う指標としては、レセプト単価分析があるかと思います。レセプト1件あたりの単価、1回あたりの診療単価、来院回数などを時系列に並べて評価する手法です。これで分かる分析評価は、あくまでも平均化されたデータでの評価であり、経営改善ツールとして活用することには限界があります。厚生労働省データによる全国平均との比較、もしくは会計事務所(コンサル会社)ネットワーク内における他院のデータとの比較に終始するということです。クリニックの場合、多少の地域格差はあるかもしれませんが、基本的には診療ガイドラインに乗っ取ったオペレーションであるため、N数が大きくなればなるほど平均値は中央値と近似値になってきます。つまり、特異性が見えてこないということです。

経営判断の指標として活用するのであれば、特異性を見出し、長所であれば伸ばしていき、弱みであれば改善を加えていく必要があります。

そのためには、『診療行為別集計』のデータを指数として時系列に比較していく必要があります。

個々の診療行為における算定回数と診療報酬を定点観測することで、季節性によるバイアスも補正できますし、外部環境の変化もピンポイントで把握することができます。

レセプトの単価分析は、大きな視点でクリニックの"体形"を見るにとどまりますが、診療講師別集計表では、"体組成"がビジュアル化することができるため、より精緻に経営改善のポイントを掴むことができます。

 

全体の流れは、"大きな視点"が必要ですが、細かな改善ポイントは現場にあるため、個々の診療行為で見ていく必要があります。

経営改善をしましょう、というスローガンを掲げるまではOKですが、具体的な行動施策が作成できなければ結果は変わりません。結果を変えるためには、このように小さく考えていくことが重要ではないでしょうか。Think small です。