Vol.837 突然来なくなったスタッフへの対応

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クリニック奮闘記

2025.01.29

クリニック奮闘記

Vol.837 突然来なくなったスタッフへの対応

ただでさえ忙しいのに、スタッフ問題で気を使わせないで欲しいとお考えの先生は少なくないと思います。日本における労働トラブルは年間にして100万件を超えており、立場の違いによるコミュニケーション障害もあれば、法律の運用上の問題もあります。

労働トラブルの中で、本項では、突然来なくなったスタッフへの対応を考えてみたいと思います。

 

結論から言いますと、身元保証人への連絡が第一優先事項です。

クリニックの入職時に、一般的にはいくつかの書類の提出を義務付けていると思います。

一般的には次のような書類の提出を求めています。

・雇用契約書

・守秘義務誓約書

・身元保証書

・振込口座確認書

 

この中にある『身元保証書』にフォーカスしてみます。

これは、本人が業務に精励することを第三者的に保証するものですが、クリニックが損害を被った場合には、保証人も連帯してその責任を負うというものです。

一般的には同居の親族(配偶者、両親等)になりますが、稀に第三者であることもあります。婚約中、あるいは事実婚の関係にあるパートナー、もしくはルームシェアしている友人などです。親族の場合は所在も含めて安心できますが、第三者の場合は、連絡が取れなくなる可能性がありますので、保証人として適任かどうかを本人に確認する必要があるでしょう。

 

本人の無断欠勤が続いている場合、何らかのトラブルに巻き込まれている場合があります。

また考えたくはないですが、クリニックに対する違法行為の発覚を恐れて逃亡することもあります。(金銭の横領や器物損壊など)

以上の理由から、連絡が取れないことが判明した時点で、速やかに保証人に連絡することをお薦めします。警察への連絡が必要なことがあるかもしれませんが、その場合は保証人を通じて相談する方がよいでしょう。

 

次に就業規則の記載に関する問題です。

就業規則の中には、退職に関する取り決めがなされているはずです。これは絶対的記載事項として法律で記載を義務付けられている内容です。

(例)職員が次の各号の一に該当するときは退職とする(1)(2)(3)

 

この中に、連絡が取れなくなった場合の取り扱いについて明記しておきましょう。

(例)職員の行方が不明となり、1ケ月以上連絡がとれない場合

 

この様にクリニックとしての対応を明確にしておくことで、事故を未然に防ぐことにもつながることでしょう。