2025.02.18
クリニック奮闘記
Vol.844 採用面接で伝えること(個人とクリニックの価値観を共有する)
弊社ではスタッフの採用面接には、一人当たり4時間以上を費やします。
新卒であれば、一から指導教育していくことができますが、中途採用を基本とした中小零細企業ではバックグラウンドの異なる人たちをまとめていかなくてはならず、根底にある職業観や倫理観が各人各様であったりします。採用面接では、一緒に働いたことのない人たちと、同じチームで仕事ができるかどうかを見極める必要がありますので、どうしても時間がかかってしまいます。
採用に関しては、事業所ごとに経営者の考えに基づいておられるとは思いますが、本日は、参考までに、弊社のスタッフ採用の考え方をお伝えしたいと思います。
弊社の採用面接は1次面接から3次面接まで行います。
1次と2次面接は代表である私が行いますが、それぞれ1時間30分程度の時間をかけて行います。
1次面接では、会社の考え方、スタッフ各人に求めることをを中心に、"仕事の厳しさ"を細かく事例を交えながらお話をしていきます。
面接で敢えて"厳しさ"をお話する理由は、スタッフにプロとしての仕事が要求されているからです。
レセプト請求業務を医療機関様からご依頼いただいていますが、先生方は弊社にプロフェッショナルの業務を期待されているはずです。少なくとも自院で働くスタッフと同じレベルであれば、わざわざ外注する必要がないからです。
先生方から選ばれる企業であり、選ばれるサービスであるためには妥協ができない部分なのです。
これまでに何百人もの面接を行ってきましたが、『面接でこんな厳しいことを言われると思わなかった』と感じた方は多かったのではないかと思います。
医療事務と言う仕事は、保険請求の手続きであって、事務作業的な業務と考えている人が非常にたくさんいらっしゃいます。
これは、クリニックを経営している院長先生だけでなく、医療事務として勤務している人たちも"同じ認識"でいることに驚かされたものです。
本来はクリニックの経営に関わる重要な業務であるにも関わらず、業界内では、"誰でもできる仕事"という認識になってしまっています。
直接的に収益に関わる業務なので、院長先生の参謀役として重用されるべき業務であるはずです。
弊社では、まず、医療事務職として働く人自身の意識改革を行います。プロ人財に育てていく第一歩です。知識や能力が高ければよいというものではないと考えています。
京セラ株式会社の稲盛和夫氏の言葉を引用すれば、人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力 です。
いくら能力が高くても、いくら熱意があったとしても、『考え方』が間違っていれば結果はマイナス方向に働いてしまします。
弊社の1次面接では、会社の指針としての『考え方』を伝えるとともに、スタッフ皆様にも"正しく考える"とは何かをお話していきます。
人によっては共感できないこともあると思います。私は弊社のスタンスを押し付けるつもりはありません。個人の考え方を否定するものでもありません。しかしながら一緒に働くメンバーには同じ"意思"を持って集っていただきたいと思っています。
引用:稲盛和夫OFFICIAL SITE
( https://www.kyocera.co.jp/inamori/about/thinker/philosophy/words43.html )