Vol.846 診療報酬の返戻・減点についての考え方

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クリニック奮闘記

2025.02.18

クリニック奮闘記

Vol.846 診療報酬の返戻・減点についての考え方

保険請求の手続きが終わった後、請求内容について審査機関にて査定が行われます。

残念ながらレセプト請求の満額が通るわけではなく、何らかの査定、減点、返戻をどこのクリニックでも経験されていることと思います。

先生方に置かれましては、他院と比べて自院の査定額が多いのか少ないのか気になるところだと思いますが、金額の多寡が問題ではありません。

査定率の全国平均は社会保険診療報酬で0.94%、国民健康保険診療報酬では0.61%となっています。(査定率=査定件数÷請求件数)

※平成24年度/厚生労働省

例えば、クリニックのひと月のレセプト件数が1000件だとすると、平均の査定率を当てはめて考えるなら10件程度になります。

実際のクリニックの査定件数が10件だったとした場合に、平均値内だからOKということではありません。問題は査定の内容にあります。

レセプト請求は医療的判断の結果が反映されたものであり、つまり院長先生の診断内容そのものです。当然、根拠があっての医学的判断であるので、請求側の立場としては査定されるいわれはないのです。正当な理由なく査定を受けているのであれば再審査請求すべきです。

審査機関ではレセプト上での判断に留まっておりカルテ記載に及ぶものではありません。諦めずに再審査請求することをお薦めします。

査定内容についてコメントを求められた場合の注意点を以下にまとめておきます。

1. 査定内容の確認:

まず、査定された内容を具体的に確認します。どの項目が減額されたのか、返戻されたのか、その理由は何なのかを把握します。

2. 査定理由の確認:

査定理由が明確に記載されている場合は、その内容を理解します。不明な点があれば、審査機関に問い合わせて確認しましょう。

3. 根拠資料の確認:

査定理由に対して、医学的な根拠や診療報酬のルールに基づいた反論がある場合は、その根拠となる資料(診療録、検査結果、ガイドラインなど)を準備します。

4. 再審査請求の検討:

査定内容に納得できない場合は、再審査請求を検討します。再審査請求の手続きや期限、必要書類などを確認し、適切に対応しましょう。

5. 査定内容の分析と改善:

査定内容を分析し、今後の診療報酬請求に役立てることが重要です。不適切な点や改善点があれば、医療機関内で共有し、再発防止に努めましょう。

その他:

  • 査定内容によっては、医療機関の経営に影響を与える可能性があります。必要に応じて、専門家(弁護士、税理士、コンサルタントなど)に相談することも検討しましょう。
  • 査定に関する情報は、厚生労働省や各都道府県のウェブサイト、医療機関向けの情報誌などで入手できます。

回答例:

「今回の査定では、〇〇の項目が減額されました。査定理由を確認したところ、〇〇という理由でした。これに対して、〇〇という医学的な根拠があり、〇〇という診療報酬のルールにも合致していると考えられます。つきましては、再審査請求を検討したいと考えています。」