2025.03.03
クリニック奮闘記
Vol.850 ダブルワークという働きかた
クリニックで勤務するスタッフの中には、ダブルワークで収入を確保されている方も少なくありません。
同じ様なクリニックを2件、3件掛け持ちするパターン、あるいは隙間の時間を使って在宅でできる作業的な業務を行うパターンなどがあります。本稿では、ダブルワークをしている人に向けてのメッセージとして受け取ってもらおうと思います。
一番良いのは、一つの事業所で十分な収入を確保できるのが望ましいのですが、クリニック勤務においては、パートのみの採用が多く少しのシフトしか組み込んでもらえない、お昼の時間が空いていること(実質は待機時間である)により思うようにいかないことがあると思います。
雇用する側にとっては効率のよい働きかたを求めるため、事業所の都合としてはやむを得ざる雇用形態であるといえます。
しかしスタッフの立場で考えると、事情が少し異なってきます。
仮に常勤採用であったとしても、平均賃金と比べるとそれほど高くはなく、決して満足のいく金額ではありません。
そこでダブルワークを考えるようになるのですが、私が思うに、決して簡単なことではありません。
1)複数の事業所のルールに合わせて働かなければならない
2)副業だからといって力を抜くことは許されない
3)どちらかを優先するような仕事はするべきではない
4)しっかりとした休息がとれるのか
・ダブルワークをしている方との面談で想定している勤務をお聞きすると、なんとお休みがありません。日勤帯で勤務をして一旦帰宅後に夜から在宅ワークをする人。
・本業の休日に副業の勤務を入れる人。特に木曜日の午後と土日祝祭日に勤務を入れています。
休息の時間を削って仕事をしていることに驚かされます。
おそらく、ひと月~ふた月くらいの期間であれば頑張れるかもしれませんが、長期間にわたって継続することは難しいのではないでしょうか。
ダブルワークを認めているクリニックの院長先生も多くいらっしゃると思います。
今一度、スタッフの勤務実態(生活スタイル)をヒアリングするようにしましょう。
頑張りすぎて健康被害が出てしまっては遅すぎます。